「不動産担保ローンに申し込もうと思うけど、審査に通るか心配……」
「審査基準はある?どうやったら審査に通りやすいのかな?」
「審査に通らなかったけど、他に資金を調達する方法はあるかな?」
こんなお悩みを解決できる記事になっています。
不動産担保ローンは比較的融資を受けやすい金融商品ですが、審査基準に満たない場合は審査に通らないこともあります。
審査に通りやすい人・通りにくい人の違いを解説しながら、審査に通るためのポイントや通らなかった時の対策について解説しています。
ぜひ最後までお読みください!
不動産担保ローンの特徴と審査基準
不動産担保ローンとは、所有する不動産を担保にすることで融資が受けられる金融商品です。
では、金融機関はどのような基準で審査しているかを見ていきましょう。
不動産の担保価値
不動産担保ローンの審査基準の一つは「不動産の担保価値」です。
金融機関はローンの返済が難しくなった場合に、担保とする不動産を売却し残債を回収します。
そのため「担保とする不動産に十分な価値があるか」が大切な審査基準になります。
不動産の価値は「土地」の場合は公示土地、基準地価、路線価、固定資産税評価額で、「建物」の場合は法定耐用年数、再調達原価、実勢価格によって価値が決まります。
価値が高いと判断されれば、審査が通りやすく、また高い額の融資を受けれます。
逆に価値が低いと判断された場合は、返済するローンの残債が担保不動産で返済できないため、審査に通らなかったり融資額が小さくなったりします。
申込者の返済能力
不動産担保ローンの審査基準のもう一つが「申込者の信用力」です。
以下が信用力の審査材料の主な項目になります。
・年齢、収入、勤続年数
・返済負担率(年収に対する年間返済額の割合)
・完済時の年齢
・他金融機関での借り入れの有無
・他ローンや税金の滞納歴の有無
これらの項目から返済における申込者の信用力を審査し、返済能力が十分にあるか判断します。
融資する金融機関としては、十分な返済能力がないと判断された申込者に対して融資できないため、審査に通せません。
不動産担保ローンの審査に通りやすい人・通りにくい人の違い
不動産担保ローンの審査に通るために押さえたいポイントは以下の3つです。
- 申込者の信用力(収入や滞納の有無)
- 他の金融商品の借り入れの有無
- 審査に必要な書類に不備、不足情報がないか
申込者の信用力(収入や滞納の有無)
一つ目は収入や滞納歴の有無など「申込者の信用力」です。
ローンは“返済能力がある”という信用があって成り立つ金融商品になります。
返済が滞らないことが前提なので、収入や滞納歴が審査の材料となってきます。
安定した収入があり、返済歴の実績が蓄積されており、返済能力が高いと判断されれば金融機関としても融資してくれます。
逆に収入に不安があり、ローンや税金の滞納歴がある人は審査に通りにくいです。
他の金融商品の借り入れの有無
二つ目は「他の金融商品の借り入れの有無」です。
すでに他の住宅ローンなどの借り入れがある場合は審査に通りにくくなります。
元々借り入れしている住宅ローンの残債にもよりますが、追加での融資となると返済の負担が大きく、返済が滞る可能性が高まります。
また、すでに元の住宅ローンで抵当権が設けられているため、新たな不動産担保ローンの抵当順位は下になり、物件の担保価値が低くなってしまいます。
審査に必要な書類に不備、不足情報がないか
三つ目は「審査に必要な書類に不備、不足情報がある」場合です。
金融機関としては審査のために活用する書類の情報が不備によるものか、もしくは虚偽の情報なのかの判断が難しいため審査に通りにくくなります。
そのため必要書類への記載は、間違いや不足情報がない様に慎重に準備しましょう。
不動産担保ローンの審査の流れと必要な準備
では続いて、不動産担保ローンの審査の流れと必要な準備について解説していきます。
不動産担保ローンの流れ
不動産担保ローンの審査の流れは大きく以下の流れで進みます。
- 申し込み・仮審査(数日〜1週間程度)
- 本審査(1〜3週間程度)
- 契約
- 融資の借り入れ
一般的に、簡易的な情報と本人確認書類を提出して申し込みを済ませ、仮審査を受けます。
問題がなければ必要書類を準備し、実際に融資が可能かどうかを判断する本審査へ進みます。
その後、本審査に通ることができれば契約、融資の借り入れが完了となります。
契約では金銭消費貸借契約を結び、不動産に抵当権を設定します。
申し込みから融資まで1ヶ月程度かかることが多いため、必要書類は早めに準備しておきましょう。
必要な準備
不動産担保ローンの本審査時に必要となる書類を以下にまとめています。
参考までにご確認ください。
本人確認書類 | 免許証のコピー、住民票、印鑑証明書など |
収入に関する書類 | 源泉徴収票、確定申告書、住民税決定通知書(法人の場合は決算書など) |
不動産関連書類 | 不動産登記簿謄本、公図、地積測量図、建物図面など |
金融資産の証明書類 | 既存借入の返済予定表や残高証明書、返済口座通帳の写しなど |
不動産の種類によって必要な書類が異なってくるので、審査の申し込みの際に金融機関に確認しましょう。
不動産担保ローンの審査に落ちてしまったら
不動産担保ローンの審査に落ちてしまった際の対策として、以下の方法を検討しましょう。
担保にする不動産を変えて再申し込み
まず一つ目は、「担保にする不動産を変えて再度申し込む」方法です。
申込者としては価値がある不動産だと考えていても、金融機関側では災害リスクや自治体の許可がないと取引ができない不動産の場合は価値を低く見積もることもあります。
担保にする不動産の価値を元にした融資であるため、不動産の価値が低いと判断されれば審査に通りにくいです。
他に担保にできる不動産を所有している場合は、変更することで審査に通る可能性があります。
他金融機関の不動産担保ローンに相談
二つ目は、「別の金融機関の不動産担保ローンに申し込む」方法です。
金融機関ごとに審査の基準が異なるため、金融機関を変えるだけで審査に通る可能性があります。
地方銀行、メガバンク、信託銀行、ネット銀行、ノンバンクなど、金融機関の種類によって審査基準は違いがあります。
通らなかった金融機関の基準を満たさなくとも審査に通るというケースはあるため、申込先を変えることを検討してみましょう。
他の資金調達方法を検討
三つ目は、「不動産担保ローン以外の資金調達方法を検討する」方法です。
不動産を活用して資金調達する方法として「リースバック」「リバースモーゲージ」という方法があります。
「リースバック」は住んでいる持ち家を不動産会社に売却して資金調達をし、家賃を支払うかたちで住み続ける方法です。
「リバースモーゲージ」は老後資金を調達する際に活用されることが多く、自宅を担保にして資金調達をし、契約者が亡くなった時に自宅を売却して一括返済する方法です。
その他にも資金調達方法は、公的融資の利用や無担保ローンなどもあるため、情報を収集し自分に適した資金調達方法を検討しましょう。
審査が甘い不動産担保ローンには注意しよう
審査基準が甘かったり、審査が早い不動産担保ローンには注意が必要です。
ノンバンクは銀行に比べて審査が早いことや通りやすい傾向にありますが、借り入れの金利や事務手数料が高く、さらに借り入れ期間が短い傾向にあります。
結果的に元金と利息を短い期間で返済しなければいけなくなり、返済計画が大変になってしまうため要注意です。
ゆとりを持った返済計画が立てられるように、金融商品の特徴をよく確認して資金調達を進めましょう。
【まとめ】不動産担保ローンの審査に通るために…
不動産担保ローンの審査基準、審査に通るためのポイント、審査に落ちた時の対策について解説してきました。
「担保にする不動産の価値」と「申込者の信用力」が審査を通過するポイントとして大切になります。
不動産を担保にすることから準備する必要書類も多く、審査に時間もかかります。
スムーズに審査に進めるよう、審査基準や審査に通るためのポイントを押さえ、不備がないようにしっかりと準備と対策していきましょう。