資金調達をしたい方にとっては、カードローンや不動産担保ローンなどの利用を考える人もいるでしょう。ただ、どの方法で資金を集めるのかは特徴をしっかり把握しておく必要があります。内容を確認していないと、自分の目的や希望と異なり後悔することもあるからです。
個人事業主の方や法人の方はコムストックローンを利用することもできますが、メリットやデメリットを知っておくのが大事なので今回の記事で紹介致します。
コムストックローンを利用するポイントについて紹介
コムストックローンは保有している上場株式などを担保に、借入れができる個人向けの証券担保ローンサービスです。SBI証券やSMBC日興証券、野村證券と提携している3つの会社において、証券総合口座を開設している方が対象です。上場株式を担保にして、コムストックローンによる借入を行えます。
また日証金に口座を開設している方も振替で利用できるため、株式をしている人は融資の方法として検討できます。ただ、コムストックローンを利用して、どのようなメリットやデメリットなどがあるのか把握しておきたいでしょう。それぞれの内容について紹介しましょう。
メリット.保有している株式を担保にしても配当金や株式優待をもらえる
コムストックローンで証券や株式を担保にしたとしても、保有していることで得られる特典を受け取ることは可能です。株式を一定以上保有しているなら、配当金や株主優待を受けることができ、その目的で運用している方もいるでしょう。
株式や証券を担保にしたとしても、その特典が損なわれることはなく、野村証券であれば担保にした株式の配当金で利息を払いながら、運用することも可能です。また、コムストックローンの融資は即日であり、金額も30万円〜最大3億円と金額の幅も大きいです。
銀行など他の金融機関を利用する際は、時間がかかるなど借入れが難しい場合もありますが、コムストックローンだと大きな融資を即日で行うことができるので、ビジネスチャンスなどにも有効になる可能性ももあるでしょう。お金を借りたい場合には、自分の保有株によるコムストックローンも考慮することができます。
メリット.借りたお金を自由に利用できる
コムストックローンで借入れしたお金は、自由に使用することができます。信用取引で借りたお金を基本的に株式購入しか利用できず、不動産投資ローンは投資物件の購入のみ、住宅ローンもマイホーム購入と限定されています。
ただ、コムストックローンの場合は金融機関のホームページでも使途は自由となっているので、個人的なことでもビジネスでも問題ありません。また、保有している株式や証券を担保に入れたとしても、いつでも売買して良いので、自由は点が魅力的です。
借入れしたお金の返済は行わなくてはいけませんが、利用者の任意のタイミングで行うことができ、即日返済も可能です。他の借入方法と異なり、毎月決まった期日に返済用の資金を準備しなくても済むため、返済計画によるストレスも軽減することができるでしょう。
デメリット.担保の株式が決定している
コムストックローンを利用するときは株式や証券を利用することができますが、担保にする際は何でも良いわけではありません。利用する金融機関によって担保にできる株式は異なりますが、基本的に大企業の株式であれば問題ないので、保有しているなら借入れすることは可能です。
ただ小型株や経営が圧迫されている企業などは信頼性から担保にできない可能性が高いです。さらに、米国株やETFなども担保の対象外になっているため、利用することができません。
自分の保有株が対象の銘柄であることを確認しておかないと、即日お金を借りることもできないため、利用している金融機関のサイトなどにアクセスしてチェックしましょう。
デメリット.担保の株式が暴落したら追証が必要になる
担保にしている銘柄が大暴落した場合、コムストックローンを利用しているなら追加保証金を入金しなくてはいけません。株式は経済の状況などによって変動するため、急に価格が下落することもあります。
もし、下落ちした際に追証をしないなら担保にしている株式を強制的に売却させられて、失ってしまう場合もあります。もし担保にしている株式を売却しても足りない場合は金融機関から請求が来て、さらにお金の返済を要求されることもあります。
株式の価格状態をチャートなどで確認して安定性があると判断したときに利用するのは良いですが、急に変動することもあるため、リスクとして認識しておきましょう。
コムストックローンの利用がおすすめな方
コムストックローンを利用して借入れをすることができますが、リスクもあるためしっかり自分の状況をチェックしておくのが重要です。その中で、コムストックローンの利用がおすすめな人はどのような方なのか紹介しましょう。
上場株式を所有している人
コムストックローンの利用がおすすめなのは、上場株式を保有している人です。コムストックローンは金融機関によって利用できる銘柄が決まっていますが、上場している大企業の株式であれば、対応していることが多いです。
中小企業の株の場合は、利用できない場合があるので、借入れとして期待していると当てが外れたときのショックが大きくなります。上場している大企業の株があり、ビジネスチャンスなどでお金を借りたい場合に検討できるでしょう。
余剰資金がある人
コムストックローンでお金を借入れする際に、注意しておきたいのは急な暴落です。価格が下落すると、追証が発生する可能性があるので、万が一の際に対応できるように、余剰資金がなくては心配な面もあります。
もし、追証が発生したときに追加できなければ株式を失うことにもつながるため、コムストックローンを利用するときは、自分がカバーできるまでの資金を借入れするようにすべきです。
株式によっては最大3億円まで借入れが可能とはいえ、急な暴落が生じれば破産に追い込まれる可能性もあります。自分の余剰額をチェックして、その範囲内で計画して利用してください。
【まとめ】コムストックローンを利用する際は慎重に行おう
コムストックローンは、株式を保有している人にとって資金調達が行える方法でもあるため、融資が必要な際は利用を検討してみることができます。
ただ、コムストックローンで借りたお金も返済しなくてはならず、暴落などで追証が必要になったときは、株式を売却しなくてはいけないケースも生じます。そのため、利用する際は資金計画を立てて慎重に行うようにしましょう。