不動産担保などで資金調達をする際は、評価額やどれほどの融資額を得られるのか確認すべきです。不動産は経済状況や地域の需要などにより変化するため、自分の希望金額まで借入れできるのかチェックしないと予想外の事態になる場合もあります。
不動産の情報は自分で調査するのは難しいため、鑑定士に依頼する必要がありますが、その際に相場や出費などの内容について把握しておく必要があります。
今回の記事では、不動産鑑定士の内容について紹介いたします。
不動産鑑定にかかる費用はどれくらいか?
不動産の経済価値を把握するために、評価額の算出を依頼する人もいるはずです。ただ、鑑定士に依頼する場合は、当然費用がかかるのでしっかり内容を把握しておく必要があります。不動産鑑定はどれくらいの費用がかかるのか、ポイントを含めて内容を紹介致します。
不動産鑑定の費用は20万円程度が相場になる
不動産の鑑定をしてもらう際は、まず典型的なパターンについて把握しておくのも大事です。不動産にもいろいろありますが、以下のような金額が相場になります。
・土地のみ(戸建て住宅程度)20万円〜
・建物のみ(戸建て住宅)20万円〜
・土地と建物(戸建て住宅)25万円〜
・マンション(一室の所有権)30万円〜
不動産鑑定の相場は対象によりますが、大体20万円〜30万円程度になります。鑑定する不動産の種類によって費用は異なるので、それぞれの価格について確認して予算をチェックしておくべきです。ただ、あくまで目安になりますので、上記で紹介した金額以上になるケースもあります。
例えば、評価額が1億円の物件であれば60〜70万円程度の料金になるでしょう。また、土地と建物を両方鑑定する方が価格は高くなるため注意しておく必要があります。
調査報告書の費用
不動産鑑定では、調査報告書についての費用も確認すべきです。調査報告書は、不動産鑑定書の作成より15〜20%程度安くなります。
それぞれの費用相場は以下のようになります。
・土地のみ17万円〜
・建物のみ17万円〜
・土地と建物(戸建て)20万円〜
・土地と建物(マンション)25万円〜
調査報告書は不動産鑑定よりも少し費用を抑えて安くできますが、マンションの売却では鑑定以外の諸費用もかかるため、費用も大きくなる場合があります。
鑑定費用を決定する際は3つの体系がある
不動産の鑑定は3つの体系から費用を算出することが可能です。まずは「報酬基準型」です。こちらは、物件の種類別に鑑定報酬額表に合わせて価格設定をするのが特徴です。
事前に支払う金額が決まっているため、多くの企業が採用しており、依頼者が事前に費用を準備しやすいので、分かりやすい仕組みです。2つ目は「積み上げ型」です。
こちらは、鑑定の作業量によって費用が上乗せされるのが特徴になっており、作業が多くなれば費用が上がっていきます。活用されるケースは主に大規模な土地を所有している方、または建物や土地が複雑であり調査の分析が難しい際に採用されるケースが多いです。
3つ目は「定額型」になります。こちらは物件種や作業量に関わらず、費用は一律で発生する仕組みになっているため、作業量が増えても出費は増えることがありません。
そのため、依頼者側としてはメリットが大きいですが、鑑定士側としては手間が増えるのみでデメリットになります。そのため、あまり採用されていない鑑定方法なので注意しましょう。
不動産鑑定はシーン別で利用を検討しておく
不動産鑑定は費用がかかりますが、あるシーンにおいては必要なことなので明記しておくべきです。不動産鑑定は以下のようなシーンで利用できます。
・相続や離婚などの財産分与
・親族間で不動産を売買や交換するとき
・代償分割の価格や遺留分減殺請求をしたい場合
・相続税の申告で土地の評価額を下げたい
・生前贈与や負担贈与を行いたい場合
不動産鑑定士に依頼するなら適正価格を把握でき、親族や家族間での財産分与で公平な遺産相続を行うことが可能です。
また、不動産関連で裁判などが生じた際も不動産鑑定士の価格は証拠として提出でき、強い影響を及ぼすことができます。
さらに法人の場合は不動産担保や売買、会計で土地と担保を分ける、また不動産による事業譲渡などの際も活用できます。
不動産鑑定による必要性も考慮して、利用を検討してみましょう。
不動産鑑定士を選ぶ際のポイントとは?
不動産鑑定士を選ぶなら、どのようなポイントを把握しておくべきなのか抑えておく必要があります。不動産鑑定士は価格などを含めて選ぶポイントがあるので、後悔しないためにも理解しておくのが大事です。以下のようなポイントがあるので紹介しましょう。
見積もりをとって各社との違いを把握しておく
不動産鑑定士を選ぶ際は、見積もりを取って各社との違いについて把握しておく必要があります。同じ調査内容でも鑑定士によって、金額に大きな差が生じる可能性もあるからです。もし、1つに絞って鑑定士に依頼した場合、相場が分からないので高額だと気付かず、その後他の事務所との比較をした際に後悔してしまう可能性があります。
見積もり自体は費用がかからず無料で行えるので、ホームページにアクセスして金額の確認をしてみましょう。また、大手の事務所だけでなく、中小も含めて比較すべきです。そして、不動産の所在地や面積、種別などの特徴を事前に伝えておくと、鑑定作業もスムーズに行えます。
素早く対応してもらえるか
不動産鑑定士に依頼する際は、素早く対応してもらえるのかチェックする必要があります。不動産の鑑定は事業に影響が出るので、早く結果を出して進めていきたい人もいるでしょう。
不動産鑑定の流れとしては、
・事務所に申込みをする
・鑑定評価をしてもらう
・鑑定士から中間報告をしてもらう
・鑑定評価書の交付
という流れです。
不動産鑑定は調査内容によって日数が異なるので、契約する前に事前に把握すべきです。
また、不動産鑑定士はインターネットを利用して探せますが、税理士や弁護士などの士業の方に紹介してもらう方法や会社の福利厚生を利用できる場合もあります。対応が良い事務所であると素早く作業できるので、口コミなども確認して選べるでしょう。
【まとめ】不動産鑑定士の依頼は費用を知ることが重要
不動産鑑定士に依頼するときは、費用を把握しておくのが大事です。費用については20〜30万円程度が相場になりますが、各事務所ごとに見積もりをして内容をチェックするのは重要です。不動産鑑定のコスト負担は少なくないので、事前に準備をして契約を進めるようにしてください。