不動産取引には専門的な知識が必要であり、不動産会社に仲介や手続きを依頼することが多くなります。
多額のお金が動く取引の場合、できるだけ信頼できる不動産会社を見つけたいですよね。
今回の記事ではそんな不動産会社選びに重要な役割を果たす宅建業免許番号について解説します。
宅建業免許番号の見方についても紹介します。
不動産取引を行う上で不動産会社選びは重要
不動産売買などの不動産取引は、一般的に不動産会社を介して行われます。
不動産取引は専門的な知識が必要であることが多く、また不動産会社独自のネットワークを使って有利な条件で売買を進めることが可能だからです。
また地域密着型の不動産会社や、マンション取引に強い不動産会社など、不動産会社によって得意な分野は違います。
自分が取引したい物件の種類に強く、信頼できる不動産会社を見つけることが、不動産会社選びでは重要になってきます。
宅建業免許番号とは?
不動産会社の業務である宅地や建物の売買、その業務の代理や仲介を行うことを宅地建物取引業といいます。
宅地建物取引業は法律により、免許を受けた者でなければ行うことはできません。
免許を取得するためには要件がありますが、逆に該当する場合免許を申請しても拒否されてしまう要件(欠格事由)も存在します。
例えば
- 過去に不正を行って免許取り消し処分を受けた
- 自己破産
- 事務所に専任の取引主任者を設置していない
などの場合は欠格事由に相当します。
もちろん、免許を持っていても法令違反を犯した場合、業務改善処分や業務停止処分、免許取消処分といった行政処分を受けることもあります。
そして、宅地建物取引業の免許証に記載されている番号が宅建業免許番号です。
不動産の広告に記載されている事が多く、特に事務所には必ず掲示されています。
これは宅建業免許を取得した業者は、必ず免許番号を事務所内のわかりやすい場所に掲示しなければならないという義務があるためです。
宅建業免許番号を持つ業者は、上記のような欠格事由や法令違反を起こしていない業者と考えられ、信頼できる不動産会社かどうかの判断材料となります。
逆にこの免許番号がない不動産会社は、免許がなく無許可で営業を行う違法業者となるため注意しましょう。
宅建の免許番号の意味と見方
宅建業免許には二つの種類がある
宅建業免許には国土交通大臣免許と都道府県知事免許という2種類の免許が存在します。
この二つにはどのような違いがあるのでしょうか。
国土交通大臣免許
国土交通大臣免許は、例えばある都道府県に本社を置き、それ以外の都道府県に支社を置くというような、複数の都道府県に事務所を置く場合に必要です。
この免許の場合は国土交通大臣(1)第○○○○○号という番号表記になります。
都道府県知事免許
都道府県知事免許は、1つの都道府県内のみに事務所を置くという場合の免許です。
この免許の場合は●●県知事(1)第○○○○○号という番号表記になります。
宅建業免許の数字の見方
ここで重要なのは、東京都知事(1)第○○○○○号という番号表記のカッコ内の数字です。
カッコの中の数字は免許の更新回数を示します。
宅建業免許の有効期限は5年間となっています。
この(1)は免許を新しく取得してから5年未満で更新手続きはまだのケース、免許取得から5年経過し1回目の更新手続きを行ったケースの場合(2)はとなります。
カッコ内の数字が大きい=信頼できる?
免許番号の()内の数字が大きいということは、更新回数が多いということです。
そのため、「何度も免許を更新する程、長く経営されている会社だから信頼できる」と考えている人もいるようです。
しかし、カッコ内の数字の大きさが、必ずしも経営期間の長さを表しているとは限りません。
どういうケースなのか、以下で説明していきます。
免許の種類が切り替わる場合
たとえば、東京都のみで事業展開を行っていた不動産会社が業務拡大により、他県にも支店を出すことになったとします。
一つの都道府県のみで事業を行っていた不動産会社が複数の都道府県に事務所を置くという状態になるため、都道府県知事免許から国土交通大臣免許への切り替えが必要になります。
この切り替えは、手続き上は新規で免許を申請するのと同じ扱いになるため、都道府県知事免許に記載されていた更新回数は白紙となり、新たに交付される国土交通大臣免許番号は国土交通大臣(1)第○○○○○号となります。
そのため、東京都で長く事業を行っていたとしても、それが新たな免許には反映されないのです。
これは、上のケースの逆である国土交通大臣免許から都道府県知事免許に切り替える場合や、別の都道府県の知事免許に切り替える場合も同様です。
個人事業主から法人に切り替わる場合
個人事業主が法人化する場合も免許を切り替える必要があります。
宅建業免許は個人ではなく会社に交付されているため、会社の形態が変われば新たに免許も申請しなおさなければなりません。
そのため、個人事業主の間長く事業を続けていたとしても、法人化するとカッコ内の数字が1になってしまうのです。
事業譲渡
事業譲渡された場合はこの逆です。
事業譲渡された側が例え業界経験がなくとも、免許番号は変わらず元々の会社の更新回数の数字のままです。
つまり、()内の数字は大きいのに、経営陣やトップは業界経験がないということもあり得るのです。
信頼できる不動産会社を調べるには?
それでは、どうすれば信頼できる不動産会社を探すことができるのでしょうか。
それは行政処分履歴を確認するという方法です。
これを確認することで少なくとも過去に大きなトラブルは起こしていないことが分かります。
業務停止処分や免許取消処分などの行政処分を受けた際、その旨が都道府県の広報や監督処分情報という国土交通省ウェブサイトに掲載されます。
また指示処分と業務停止処分の実績は、宅地建物取引業者名簿へ記載されます。
この宅地建物取引業者名簿は役所の担当窓口に行けば、一般の人でも閲覧可能です。
不動産会社の宅建免許番号の調べ方
国土交通省の各地方整備局や各都道府県の担当課では、登録されている宅建業者についての情報を宅建業免許番号も含め閲覧することができます。
国土交通省の建設業者・宅建業等企業情報検索システムでは、オンラインで宅建業者の情報を閲覧することが可能です。
【まとめ】
いかがでしたでしょうか。
宅建業免許番号を使うことで、不動産会社のおおよその営業期間や行政処分が過去にあったかどうかが分かります。
しかし、それ以外の情報に関しては、実際に店に行ったり担当者と話さないと分かりません、
宅建業免許番号で分かる範囲で信頼がおけそうな会社を見つけたら、次は試しに相談してみましょう。