ビジネス面で資金が必要になるなら、様々な方法を用いて現金を集めたいはずです。調達方法によってやり方は異なりますが、商業手形割引を利用するのも1つの方法です。
手形割引なら期日を待つことなく、早期の現金化ができるなど用途に応じた使用が行えますが、一方でデメリットもあるため、内容をしっかり把握しておくのは重要です。今回の記事では商業手形割引の融資について概要を紹介致します。
商業手形割引のメリットとデメリットとは?
商業手形と商業手形割引はほとんど同じものです。商業手形は、商取引を扱う際に現金ではなくて手形を受け取り、それを支払い期日前にお金に変えることを商業手形割引と言います。この現金化の場合、期日よりも先に支払われるため、金利が発生するのも特徴です。
そして、一般的に商業手形割引は金融機関を利用しますが、どのようなメリットやデメリットがあるのか把握しておくのも重要です。商業手形割引のそれぞれの点について紹介しましょう。
メリット.素早く現金化ができて資金を準備しやすい
商業手形割引は、素早く現金化ができて資金を準備しやすい点があります。手形の期日は通常、支払サイトが長期的であり、3〜4ヶ月はかかるため現金化するまで時間がかかります。しかし、事業を行っている際に急な出費や資金繰りによる支払いにより、お金が必要になるケースも発生するでしょう。
その際、手元に現金がなければ運営に支障が生じてしまい、経営学傾く可能性もあります。商業手形割引であれば手続きが簡単で迅速に行えるため、必要なときに資金を入手できます。現金化で素早く準備できる方法は多くはないため、もし商業手形があるなら利用を考えてみましょう。
メリット.審査は甘めなので利用しやすい
商業手形は銀行融資などと比較すると、審査が甘めであると言えます。融資を受ける際は、どの金融機関でも審査を受ける必要がありますが、銀行はかなり厳しく見られるため、通過するのは難しいです。事業用資金でも経営状況などを綿密に考慮し、少しでも懸念点があれば審査で落とされる場合もあります。
銀行は契約者の信用度を重視しますが、手形割引は振出人の信頼をチェックします。そのため、仮に自分の会社が資金繰りで業績が悪化している状況でも、審査を通過することが可能です。自社の業績が振るわず融資を諦めている事業所でも、商業手形の現金化でお金を準備できるため、考慮してみましょう。
メリット.低金利で現金化できる
商業手形割引を利用する場合は、割引手数料を差し引いた金額で現金化します。少しお金を取られてしまいますが、金利自体の数字は低く、他の融資の方法と比較しても安く抑えることが可能です。例えば、カードローンやフリーローンなどの場合は最高金利で15〜20%ほどになっていますが、商業手形の場合は2.5〜12.0%の幅で抑えられています。
ただ、銀行の融資の場合は2〜6%ほどの幅になるため、比較すると商業手形割引は少し高いと感じられるかもしれません。しかし、銀行よりも素早く現金を得ることができ、消費者金融など他の方法よりも金利設定が低いことを考えるなら、事業者にとっては大きなメリットになるでしょう。
デメリット.不渡りの際は弁済義務が発生する
商業手形割引を利用して現金化した場合、不渡りになるケースに注意しなくてはいけません。商業手形割引を買取りしてもらえれば、その場で終了というわけではなく、買取りした金融機関が手形の金額を受け取る必要があります。
もし、商業手形割引を現金化した後に、対象となる会社や企業の事業が悪化してしまい、手形が不渡りになった場合、元々の保有者が買い戻ししなくてはいけません。しかし、手手形の現金化は、自社側も早急に資金が必要には際に利用するケースが多いので、すでに無い可能性も高いです。
もし、支払いが困難な状況になっているなら、手形割引会社が元々の保有者に代わって支払いをし、債務不履行のリスクが発生する可能性もあります。手形自体4〜5ヶ月後の支払いになるケースが多いので、現金化できたときは問題なくても、支払い期日までに振出人が急変する可能性も十分ありえます。弁済義務が生じるリスクを把握しておき、上手に活用できるようにしましょう。
デメリット.買い戻しは不可能
商業手形割引は、買い戻しは不可能となっています。一度現金化してしまえば手形を再度買い戻しすることは、基本的に行えません。例えば、手持ち資金が足りないので、商業手形割引を利用したとします。
ただ、後日に入金が発生したなどで、資金的に余裕が出てきた場合、買い戻しをしたい方もいるはずですが、当然金融機関も応じてくれません。そのため、商業手形割引の買取りを行いたい方は、慎重に計画する必要があります。
ただ、例外的に手形割引人が同意した場合は買い戻し可能ですが、特殊な状況になるため、あまり期待はできません。さらに、買い戻しをする際は再度手数料を支払わなくてはいけないので、現金化のときとダブルで必要になるなど、コストの支払いが大きくなるため、この点を考慮してどうすべきか把握してください。
デメリット.割引手数料がかかる
商業手形割引は現金化してもらうために手数料が発生します。手数料自体は金額と金融機関の設定によって変わりますが、数千円で終えられる場合もあります。しかし、期日まで待てば全額回収を行うことができるため、少しの手数料でも抑えておきたい場合は利用しにくく感じるでしょう。もちろん、他の借入れ方法と比較すると、コストは安く抑えることができるため、資金調達の方法として検討できます。
デメリット.手形割引業者の選び方について信頼性を確認しなくてはいけない
商業手形割引を利用する際は業者を選ばなくてはならず、その際は信頼性を把握しておく必要もあります。手形割引業者はいろいろありますが、中には悪徳業者が混ざっている可能性もあります。特に、手数料や金利がかなり高額な設定になったいるなら、業者として注意しておく必要があるでしょう。
利用する際は、自社に合った条件で手形を割引してくれるのか、またはコストを最小限に抑えてくれるのかなど、見極めが重要です。早期の現金化ばかりに気を取られず、選定のポイントを押さえて利用するようにしてください。
【まとめ】商業手形割引を利用してみよう
商業手形割引について内容を紹介してきました。商業手形割引は、早期による現金化や審査を通過しやすいなどのメリットがありますが、買い戻しできない、不渡りの可能性が出るなど、デメリットもあります。しっかりバランスを取って利用を考えてください。