マンションを購入して賃貸から引っ越ししようと思っても、予算や選び方についてどう考えれば良いか分かりませんよね。
今回の記事では、知っておきたい年収別のマンション価格の目安を紹介します。
住宅ローンの支払いをどの割合で行えば負担にならないかも解説します。
マンションを買うときにかかるお金は?
マンションを購入する際、最初に頭金を出し、足りない金額は住宅ローンを組む、という形で購入費用を支払う方がほとんどだと思います。
頭金が多いとその分ローンの返済額は減ります。
自分で貯蓄したり、親から援助という形で資金をもらったりして、頭金に充てるというケースが多いようです。
またマンションを購入する際、物件そのものの購入費用以外にも、税金や手数料などがかかります。
この税金や手数料などの費用のことを諸費用と呼び、マンションを購入する際には「マンション購入費用(頭金+住宅ローン借り入れ額)+諸費用」が必要になります。
諸費用の内訳
諸費用は、新築マンションと中古マンションで異なってきます。
諸費用の相場は、それぞれ
新築マンション:物件価格の3~6%程度
中古マンション:物件価格の6~10%程度
とされています。
- 新築マンションにかかる諸費用の内訳
印紙税 | 1~3万円 | 売買契約書に貼る印紙の費用 |
登録免許税 | 所有権保存登記の際に課税される登録免許税→住宅用は0.15%(2027年3月31日まで) 抵当権設定登記の際に課税される登録免許税→住宅用は0.1%(2027年3月31日まで) | |
司法書士への依頼費(上記の登記を行う) | 5~15万円 | |
不動産取得税 | 固定資産税評価額(課税標準価格)×3% | |
固定資産税 | 固定資産税評価額×標準税率1.4%(市町村による) | |
都市計画税 | 固定資産税評価額×制限税率0.3%(市町村による) | |
管理費・修繕積立金 | 決済・引き渡しのタイミングで数十万円払う場合もある | |
引っ越し・ | 単身者は5~10万家族は20~40万円 | |
家具家電購入費 |
- 中古マンション購入時にかかる諸費用の内訳
印紙税 | 1~3万円 | 売買契約書に貼る印紙の費用 |
登録免許税 | 所有権移転登記の際に課税される登録免許税→住宅用は0.3%(2027年3月31日まで) 抵当権設定登記の際に課税される登録免許税→住宅用は0.1%(2027年3月31日まで) | |
仲介手数料 | マンションの値段によって異なるが、上限額は物件価格×3%+6万円+消費税 | |
固定資産税清算金 | 売主が負担した固定資産税を、購入者が負担する費用 | |
司法書士への依頼費(上記の登記を行う) | 5~15万円 | |
不動産取得税 | 固定資産税評価額(課税標準価格)×3% | |
固定資産税 | 固定資産税評価額×標準税率1.4%(市町村による) | |
都市計画税 | 固定資産税評価額×制限税率0.3%(市町村による) | |
管理費・修繕積立金 | 決済・引き渡しのタイミングで数十万円払うことも | |
引っ越し・ | 単身者は5~10万家族は20~40万円 | |
家具家電購入費 |
中古マンションの場合、新築マンションと異なり、諸費用が高めです。
これは仲介手数料と固定資産税清算金が発生するためです。
中古マンションの場合、ほとんどのケースで不動産会社を仲介して購入するため、仲介手数料が発生します。
固定資産税清算金は、売主が前もって払った固定資産税を返すものです。
固定資産税は毎年一月一日時点の物件所有者に発生します。
そのため、年度途中で物件を引き渡す場合、引き渡しの月から12月31日までの固定資産税を売主に返す必要が出てくるのです。
これらの金額は大きく、新築マンションの倍以上の諸費用を払う事もあるため、注意してください。
購入できるマンションの価格の目安は?
マンションを買おう!と思っても、どれくらいの価格のマンションなら無理なく支払えるのか、よく分からないですよね。
以下でマンション価格の目安となる二つの指標について説明します。
年収の目安
一般的な基準として、年収の5倍から7倍の価格のマンションが購入に適していると言われています。
これは、ほとんどの金融機関が住宅ローンの借入限度額を年収の5倍から7倍に設定しているためです。
もちろん頭金が多く用意できたり、今後年収が増える可能性があるなら、もう少し価格を上げるのもいいでしょう。
返済負担率
返済負担率とは、収入のうち購入したマンションのローン返済にあてる割合を意味します。
一般的に、ローン返済割合は20〜25%を目標にするとよいと言われています。
金融機関によっては30%以上の返済負担率となる金額の借り入れでも審査に通ることがありますが、実際には家計が圧迫される可能性があるため注意が必要です。
とは言え兄弟が多く教育費や食費が一般的な家庭よりも多くかかるケースなど、場合によっては20%でも負担に感じることもあるため、一概に何割だから大丈夫とは言えません、
おすすめの確認方法は、月々の収入から20〜25%がローン返済分として支払われても、生活できるかどうか計算してみるというものです。。
ただし、ボーナス払いなどの利用により年間を通してみるとローン返済がきっちりできているようなら、この割合の限りではありません。
年収別、いくらまでローンで借りられる?
住宅ローンには、銀行などの金融機関が提供する民間ローン、フラット35などの準公的ローン、公的ローンがあります。
それでは、住宅ローンでどれくらいの借入が可能なのでしょう。
下記の一覧表は住宅金融普及協会の住宅ローンシミュレーション(https://www.sumai-info.com/simulation/kariirekanou.html)を用いて各年収ごとに以下の条件で計算したものです。(2024年7月現在)
借入金利:0.375%(変動金利)
返済期間:35年
返済方式:元利均等返済
返済比率(返済負担率):25%
年収 | 借り入れ可能額 |
200万円 | 16,397,802円 |
300万円 | 24,596,704円 |
400万円 | 32,795,605円 |
500万円 | 40,994,506円 |
600万円 | 49,193,408円 |
700万円 | 57,392,309円 |
800万円 | 65,591,211円 |
900万円 | 73,790,112円 |
1000万円 | 81,989,013円 |
1100万円 | 90,187,915円 |
1200万円 | 98,386,816円 |
マンション購入者の世帯年収や年齢
一般的に、どのくらいの年齢や世帯年収でマンションを購入しているのでしょう。
令和4年度住宅市場動向調査の情報から解説します。
マンション購入者の世帯年収
分譲集合住宅(新築マンション)を一次取得(初めてマンションを購入した)した世帯の平均年収は923万円。
年収600 万〜800 万未満の層が最も多くなっています。
既存(中古)マンションの平均世帯年収は609万円で、世帯年収400万〜600万円未満の層が最も多くなっています。
新築マンションの平均世帯年収は、この中で比較すると圧倒的に高くなっています。
これは昨今のバブルとも言うべき新築マンションの高騰が反映されたためだと考えられます。
マンション購入者の平均年齢
マンションを一次取得した世帯主の平均年齢は、新築マンションで39.9歳、中古マンションで43.7歳となりました。
上記の表からも分かるように、新築・中古マンションの購入者の内6〜7割が30代・40代です。
住宅ローンを退職するまでの間でかつ30〜35年で返済するには、30〜40代で家を購入しないといけないため、この年代の購入の割合が最も高いと考えられます。
対して、マンションを二次取得した世帯主の平均年齢は、新築・中古ともに50代以上となり、60歳以上の購入者が一番多いという結果になっています。
これは子供の独立や退職といった大きなライフイベントの変化に合わせて家を売るなど、暮らし方も変える人が多いことを示唆しています。
【まとめ】
いかがでしたでしょうか。
マンションを購入する際は、きちんとした資金計画を考えることが重要です。
特に毎月の住宅ローン支払いは、しっかり管理しないと、後々リスクになってしまいます。
状況によっては、住まいを売却せざる得なくなることも。
希望のマンションを探すだけではなく、適切な金額の住宅ローンを借りること、月々の返済額について今の年収を考慮しきちんと検討することが大切です。