マイホームを購入したら次に気になるのは「どれくらい維持費にお金がかかるのか」ということ。
今回の記事では、そんな悩ましい持ち家の維持費について解説します。
持ち家の維持費を抑える方法についても解説します。
ぜひ参考にしてください。
持ち家の維持費の内訳
持ち家には住宅ローン以外にも様々な維持費がかかります。
持ち家の維持に必要な費用には、主にどんな種類のものがあるのでしょう。
固定資産税
持ち家を所有している限り、毎年固定資産税を支払う必要があります。
固定資産税は毎年1月1日時点で、所持している土地や建物にかかる税金です。
各自治体の不動産の評価額に基づき課税額が決まります。
自治体が送付する課税明細書で確認が可能で、1年分を一括か4回に分けて納税します。
固定資産税額は目安として「固定資産税=固定資産税評価額×1.4%」という式で求められ、戸建ての場合は月1〜2万円(年10〜20万円前後)かかると言われています。
各自治体の要件を満たしていれば、固定資産税の減額制度を利用することも可能です。
都市計画税
都市計画税とは、都市計画事業や土地区画事業に利用される税金のことです。
固定資産税と同じ様に、毎年一括でまとめて払うか4回に分けて支払います。
都市計画税は固定資産税評価額×0.3%=都市計画税という式で求められます。
課税対象は、都市計画法で定められた市街化区域内の建物と土地です。
自分の住まいがその区域内にあるか気になる方は、各自治体の総務部や課税課に確認してみましょう。
修繕費
家の老朽化に伴い、修繕やリフォームが必要になります。
屋外では外壁の塗装、屋根の修理、給排水設備の交換など、屋内ではキッチンなど水回りの修繕、壁紙などの張り替えなど、定期的なメンテナンスが欠かせません。
特に築10年を過ぎるころからメンテナンスが必要になると言われています。
一般的に木造戸建ての場合、築30年間で400〜800万円程は修繕費用がかかると言われています。
一度に出ていく額が思っていた以上に大きくなることも。
焦らなくていいように修繕費を積み立てていきましょう。
マンションの場合は、管理費などに加えて修繕費積み立てが発生するため注意しましょう。
管理費や自治会費
戸建て住宅の場合、エリアによっては自治会費が発生することも。
自治会では防犯のためのパトロールやゴミ集積場の管理・清掃、町内会・地域のイベント運営など様々なことを行います。
また、マンションなどの集合住宅の場合は管理費が発生します。
管理費は共用部分の清掃や設備の点検費用、管理組合の運営費などに充てられます。
火災保険・地震保険
火災保険や地震保険に加入することで、火災や地震などの自然災害に対するリスクを軽減することができます。
特に住宅ローンを組む場合、火災保険の加入が必要です。
火災保険や地震保険の保険料は年間1万円〜2万円程度が相場と言われています。
〇火災保険
火災保険は、火災や落雷、風災、雪災などで建物や家財に損害が発生した場合に保険金を支払う保険です。
火災は放火や隣家からの延焼など、注意だけでは避けられないケースがあるため加入することが望ましいでしょう。
省令準耐火仕様の住宅では保険料が安くなるため、当てはまる方は確認してみましょう。
〇家財保険
家財保険は、火災などで家財が損害を受けた際にその損害額に応じて保険金を支払う保険です。
加入は任意ですが、火災による出費をカバーすることができます。
〇 地震保険
地震保険は、地震や噴火、津波による火災や損壊などの損害に対して保険金を支払う保険です。
火災保険のみでは地震による火災は補償されないため、セットでの加入がいいでしょう。
ただし地震保険は火災保険額の50%までしか設定できないため、全壊した場合でも保険金は50%分しか支払われません。
持ち家の年間平均維持費は約40万円?
持ち家の年間平均維持費は約40万円と言われています。
これは、上記で説明した固定資産税や修繕費などを合計した金額です。
それぞれの具体的な費用項目について詳しく説明します。
税金
固定資産税は、毎年市町村に支払う必要がある税金です。
地域や物件の種類によって異なりますが、一般的な一戸建て住宅の場合、年間10〜20万円程度が目安です。
都市計画税は市街化地域に不動産を所持している人のみが市町村に納めます。
目安として、年2〜3万円ほどです。
修繕費
一戸建ての修繕費用は大体600〜800万円はかかるといわれています。
新築の一戸建ての場合、築10年を過ぎたころから修繕が必要になっていきます。
修繕費用として一番費用が高いのは「外壁塗装」です。
ほかにも水回りのリフォームや壁紙アフローリングの張替えなどがあります。
保険料
持ち家には火災保険や地震保険の加入が推奨されます。
火災保険は、火災や自然災害から住宅を守るために必要です。
年間の保険料は物件の所在地や構造により異なりますが、5年で地震保険と火災保険併せて10〜20万程度が一般的です。
新築から30年間の家にかかる維持費を、下記の条件で計算してみるとどうなるでしょうか。
税金(15万×30年) | 450万円 |
修繕費用 | 700万円 |
保険料(5年で15万) | 90万円 |
計 | 1240万円 |
この合計を30年で割ると、一年あたり約41万円ほどの修繕費用がかかる計算となります。
マンションと戸建住宅の維持費の違い
マンションと戸建住宅の維持費には異なるところがあります。
以下に項目別に違いを説明していきます。
固定資産税
マンションは戸建て住宅と比べて耐用年数が長いため、建物のみを比べると固定資産税が戸建てより高くなると言われています。
ただし戸建住宅の固定資産税は、土地と建物全体に対して課税されます。
そのため特に土地の評価額が高い都市部では、固定資産税が高額になることがあります。
修繕費・管理費
戸建てとマンションを比較すると、基本的にマンションの方が維持費が高いとされています。
その原因が毎月払う管理費と修繕積立金です。
マンションでは、共用部分の管理・修繕費をカバーするために管理費と修繕積立金を毎月支払います。
修繕積立金は築年数が経過するとともに、高くなる傾向があります。
また住宅ローンの支払いが終わった後も、部屋を所有している限り払い続けなければなりません。
ただし計画的な大規模修繕が行われるため、予期しない大きな出費は少ないです。
また管理費が高くとも、その分共有部のサービスの質が高いというメリットがあるケースも。
戸建住宅では、マンションのように積立金制度がないため全ての修繕費を自己負担で計画しなければなりません。
外壁や屋根、給排水設備などのメンテナンスが必要な場合、大きな額の修繕費が発生することがあります。
一般的に年間10万円から20万円程度を修繕費として見積もると良いでしょう。
保険料
マンションは法定耐用年数が長く、その分火災や地震にも耐える期間が長いとされ、保険料が比較的安くなります。
戸建住宅はマンションよりも火災や地震に弱いとされ、保険料が高くなりがちです。
戸建ての維持費を抑える方法
以下に、戸建ての維持費を抑える具体的な方法をいくつか紹介します。
軽減措置などを利用する
一戸建ての維持費の内、大きな割合を占めている固定資産税。
こちらは減額制度を利用してみましょう。
使用できる制度には以下のようなものがあります
- 住宅用地に対する軽減措置
- 新築住宅の減額
- 認定長期優良住宅の減額
例えば新築住宅の減額であれば、通常の一戸建てであれば3年間、固定資産税が半分に減額されます。
維持費を抑えるためにも利用できる減額制度を確認しましょう。
定期的なメンテナンス
定期的な点検とメンテナンスを行うことで、大規模な修繕を未然に防ぐことができます。
例えば、屋根や外壁の点検を定期的に行い、小さなひび割れや劣化を早期に修理することで、後々の大規模な修繕を回避できます。
耐久性の高い素材を使う
耐久性の高い素材を使用した住宅を建てることで、修繕費用を抑えられる可能性があります。
例として外壁のタイル材やサイディング材などが挙げられます。
ただし素材の価格が高くなりすぎて、結果的に費用が嵩むケースもあるため、施工業者と相談して選びましょう。
気密性・断熱性の高い家に住む
光熱費を抑えるために、エネルギー効率の高い設備を導入しましょう。
例えば、断熱性能の高い窓やドアを設置することで、冷暖房費を大幅に削減できます。
初期投資はかかりますが、長期的には大きな節約になるためおすすめです。
注文住宅の場合は施工会社に相談してみましょう。
DIYによるメンテナンス
簡単なメンテナンスや修繕はDIYで行うとコストを削減できます。
例えば、庭の手入れや小さな修繕(壁のペンキ塗り、簡単な配管修理など)は、自分で行うことで業者に依頼する費用を節約できます。
ただし、無理な作業は避けるようにしましょう。
保険の見直し
火災保険や地震保険は、複数の保険会社と相談して見積もりを取り、最適な保険を選ぶことが重要です。
定期的に保険内容を検討し、いらない補償やオプションを失くし、無駄な保険料を支払わないようにしましょう。
【まとめ】
戸建てを持ち家にする場合、予期せぬタイミングで修繕費用が必要になるケースが多いです。
そうなっても暮らしが困らないように、新築の時から修繕費用を少しずつ貯めておきましょう。