お金の借入れをしたい場合に不動産担保ローンの利用を検討している人もいるでしょう。不動産担保ローンは物件を持っていれば、他の方法よりも融資を比較的簡単に行えるため計算しやすいです。
しかし、融資を行う際はどの方法でも注意点やポイントを押さえておくべきです。予想外のことが起きてトラブルに発展するケースもあるため、メリットやデメリットなどを把握しておくのは重要です。不動産担保ローンで生じるトラブルについて今回の記事で紹介しましょう。
不動産担保ローンを利用する際の注意点やリスクとは?
不動産担保ローンは高額融資が行えることや保証人が不要なこと、また金利を消費者金融よりも抑えることができるなどメリットもありますが、同時にデメリットも存在します。
リスクも大きい部分があるので、注意していないとトラブルが生じてしまい、会社や自営業の方にとっては不利になるケースもあるでしょう。不動産担保ローンを利用する際のトラブル防止として以下のリスクについて紹介しましょう。
返済が滞納すると物件を失うことになる
不動産担保ローンを利用して資金を融資してもらったとしても、もらったわけではないので毎月返済していく必要があります。契約前に返済額を確認するはずなので、ある程度の目処を持って借入れするはずですが、万が一の事態が生じる場合もあるでしょう。例えば事業で予定していた収入を得ることができない、事業で不利益を被って損失を出し赤字経営になってしまったなどです。
もし、資金や収入が無くなってしまうと返済する手段が無くなってしまうことになり、担保にしていた不動産を売却して補填しなくてはいけない事態になる場合もあります。
不動産を失ってしまうと大きなリスクになるため、返済が滞らないように資金計画は重要になりますが、万が一の事態に備えておく必要もあるため、よく考慮して利用するようにしましょう。
借入金額が低くて事業資金として足りない可能性もある
不動産担保ローンを利用すると借入金額が大きいので、融資として期待できます。しかし、融資の金額は物件の評価額によって決定するため、必ず自分の予想通りの事業資金を借入れできるわけではありません。
物件の評価額は需要や経済の動向によって変化するため、都心分や近郊エリアだと価値が高く、希望通りの金額を得られる可能性があります。しかし、地方にある物件や古いマンションなどであれば、評価額が低いので金額も低くなるケースがあります。
不動産の評価額により融額が足りない場合が、別のローン契約で補填しなくてはいけない可能性もあるため注意すべきです。
融資に時間がかかる場合もある
不動産担保ローンは、融資するまでに時間がかかる場合もあります。不動産担保ローンは審査を行う前に登記簿謄本や印鑑証明書など、書類の準備が必要なので提出するために時間がかかる場合もあります。また、不動産の評価額の調査や資金の返済計画、金利設定なども行わなくてはいけないため、即日で借入れができるわけではありません。
カードローンなどであれば無担保で信用情報のみを審査すれば良いので場合によっては即日で融資も行えますが、不動産担保ローンは最短でも3日、または1週間や1ヶ月ほどかかる場合もあります。特に、融資金額が大きい場合は金融機関も慎重に審査することになるため、より時間がかかるでしょう。
資金調達までに期間の余裕があるなら、大きな問題とはなりませんが、急ぎで資金を確保したい方にとっては予定通りとはいかない場合もあるので注意が必要です。
諸費用による思わぬコストがかかる
不動産担保ローンを利用すると、無担保ローンよりも金利設定は低くされているため、返済負担を軽減させることは可能です。しかし、金利設定は大体6%〜15%の場合が多いので、銀行の融資と比較すると特別に低価格というわけではありません。
融資額が大きいほど金利は低くなる傾向ではありますが、期間が長いと負担も大きくなるため、しっかり確認しておく必要があります。また、不動産担保ローンは抵当権を設定する必要もあるため、登記を始めとして諸費用が発生します。一般的には
・事務手数料
・登記費用
・司法書士への報酬
・印紙税
です。
融資を受ける前に手続きからいろいろな出費が出てしまうため、借入れ後の金額が手数料によって減少してしまう可能性があります。出費によって資金が足りなくなるというトラブルが発生する可能性もあるため、融資を受ける際はリスクを考慮しておきましょう。
返済中に担保を追加で要求される場合もある
不動産担保ローンは状況によっては、担保を追加で要求されるリスクもあります。不動産は経済や需要によって評価額が変動するため、場合によっては値下がりを起こすこともあります。
もし契約後に担保に入れている物件が大きく値下がりを起こしてしまうと、ローン契約をした会社側にとっては資金の回収にリスクが生じるため、追加要求されるケースもあるわけです。
大きく値下がりをした際に不動産を所有しているなら、追加担保の要求に応じやすいですが、持っていない場合は繰り上げ返済をするなど当初の計画より毎月の返済額が増えてしまう可能性もあります。
担保の価値は常に一定というわけではないため、最終的に抵当権が実行されても価値が下がっていれば完済できる保証もありません。物件を売却したのに残債が残るリスクもあるため注意しておきましょう。
違約金を取られる場合もある
不動産担保ローンを契約するときは注意事項が記載されており、各金融機関によって異なります。その中で、繰り上げ返済について違約金が発生する内容を記載している場合もあるので注意が必要です。借り手側としては早く返済したいはずですが、貸し手は一定期間の利息による金利収入を見込んでいます。
そのため、繰り上げ返済や借り換えなど、借り手側にとって益があることも、契約事項から行えないこともあるため注意しておくべきです。もし、繰り上げ返済などを行いたい場合は許可している金融機関もあるため、事前に問い合わせやホームページでの確認、また契約前に質問しておくのがおすすめです。
【まとめ】不動産担保ローンを契約する際はリスクも確認しよう
不動産担保ローンを利用するときは、リスクを確認することも重要です。万が一の事態になったときは大きなトラブルになる可能性もあるため、しっかり把握した上で契約する必要があります。
ポイントとしては、借入金額や金利、また返済計画の点でバランスを取ることです。また高齢者の場合は自宅のリースバックを利用することもできます。ぜひ、メリットやデメリットをチェックして不動産担保ローンの利用を検討してみましょう。