ビジネスや事業拡大などで資金調達したい場合は、不動産を担保に入れることも検討するでしょう。不動産の評価額によって高額な融資を得られるため、物件を所有している人は前向きに考えることができます。
しかし、不動産の担保は抵当権を設定しなくてはならず、登記の手続きを行わなくてはいけません。「抵当権設定登記の手続きの流れとは?」「費用はどれくらい必要なのか?」と疑問を感じる場合もあるはずなので、今回の記事で紹介致します。
抵当権を設定する際のポイントとは?
抵当権は土地や建物の不動産などを担保にする際に設定します。抵当権を設定しても土地や不動産を継続して活用することは可能であり、再無視がそのまま居住することも可能です。そして、抵当権設定登記は住宅ローンなどの借入れをする際に設定する登記のことであり、一定の事項を法務局に管理する登記簿に記録します。抵当権にもいろいろな設定があり、ポイントを押さえておくのが大事です。どのような点があるのか内容を紹介致します。
抵当権設定登記にかかる費用とは?
抵当権設定登記を行う際は、費用がかかるのでどれほどの金額が必要になるのか把握しておくのは重要です。抵当権設定登記の費用は、主に登録免許税、司法書士費用、その他の費用になっています。登録免許税は抵当権設定の場合は一律ではなく、債権額に対して税率0.4%です。
例えば、債権額が4,000万円の場合は16万円が登録免許税になります。不動産の評価額が大きいほど登録免許税も大きくなるため、事前に鑑定してどれほどの金額になるのか計算しておくのも大事です。司法書士費用は依頼する事務所によって金額が異なります。
抵当権設定登記は書類の記載が複雑であるため、司法書士に依頼するのが基本になります。価格は不動産の評価額や物件数によって決まることが多いですが、例えば債権額5,000万円ほどだと3〜4万円ほどになるはずです。
その他の費用は印鑑証明書の発行手数料で300円ほど、登録事項発行手数料により600円(オンラインの場合は500円)という金額です。それぞれの費用を確認しても数十万はかかる可能性があるので、事前に準備しておきましょう。
抵当権設定登記が必要になる場面を押さえておく
抵当権設定登記が必要になるケースも、把握しておく必要があります。抵当権設定登記が必要になるのは、まず住宅ローンを組みたい場合です。マイホームを購入するときは何千万円となるケースがあるため、全額自己資金で準備できる人はほぼいません。
そのため、自宅を担保にして住宅ローンを設定するときに利用します。また、住宅ローンの借り換えをして、残債を一括で返済したい場合も金融機関の抵当権設定登記を行う必要が生じます。他にも不動産投資や企業が物件を担保にして融資を受けたい場合なども必要です。
それぞれの場面に応じてスムーズに取引を進めるためには、事前に準備しておくのが重要なので、司法書士への依頼や申請への書類の用意などを行うようにしましょう。
メリットとデメリットを把握しておく
抵当権の設定登記を行う際は、メリットとデメリットを把握しておくのも大事です。まずメリットとしては
・目的に応じた資金を調達できる
・無担保ローンよりも金利が低くなる
という点です。
抵当権の設定を行うことで、銀行やノンバンクなどの金融機関から住宅ローンなどを利用して、資金を調達できます。また、無担保ローンの場合は金融機関側からすれば資金回収できず貸し倒れするリスクがあるため、審査も厳しく、金利設定も高くされる可能性があります。
しかし、抵当権設定登記をすでに担保にされている物件があるので、万が一債務者が返済できなくても売却して資金回収が可能です。そのため、資金調達の面では大きなメリットになります。
デメリットとしては以下の点です。
・返済を滞納すれば差し押さえのリスクがある
・抹消しないと売却ができない
抵当権が設定されると、金融機関は売却する権利を所有しています。そのため、返済を滞納したり払えなかったりするなら、物件を差し押さえられて失ってしまう可能性も生じます。
また、一度抵当権の設定を行うと、返済するまで自分の所有物とは言えないため、売却したくても金融機関から見るとリスクが高く、敬遠される可能性もあるでしょう。返済し終えて自動的に抹消ではなく、自分で手続きしなくてはいけないので注意してください。
抵当権設定登記に必要な資料を準備する
抵当権設定登記を行う際は、必要な書類を準備しなくてはいけません。手続きに必要な書類は以下のものです。
・抵当権設定契約書(金融機関が用意)
・不動産所有者の実印
・権利書(登記済証や登記識別情報通知)
・印鑑証明書
・身分証明書
抵当権設定契約書については利用する金融機関が用意してくれるため、他のものを準備しておく必要があります。必要な書類が準備できないと抵当権の設定が遅れて資金の借入れが遅れることにもなるため注意しましょう。
抵当権設定登記の流れとは?
抵当権設定登記を行う際は、流れについて把握しておくのも重要です。流れが把握できれば、抵当権設定登記もスムーズに行えるでしょう。以下のような流れで行えるため、それぞれ紹介しましょう。
契約を締結〜必要書類を揃える
抵当権設定登記は金融機関と金銭消費賃借契約を結んだ後に、不動産に対して抵当権を設定することへの合意を行います。その後、上記でも紹介した必要な書類を準備しましょう。何かが抜けてしまうと、抵当権設定が行えないので、手元に全て揃っているのかチェックしてください。
登記申請〜登記事項証明書の取得
不動産の所在地を管轄している法務局で、窓口申請や郵送などにより登記申請を行います。登録免許税の支払いも必要であり、現金納付の場合は事前に支払いをしておきます。
インターネットを利用する場合は司法書士しか使用できないため、依頼する必要があります。申請して受理されれば登記事項証明書を取得して抵当権者である金融機関に提出します。これで流れとしては終了になります。
【まとめ】抵当権設定登記をする際は慎重に行おう
資金調達の方法として抵当権設定登記を行うこともできますが、慎重に行う必要があります。抵当権の設定はポイントがあり、メリットやデメリットもあるので、内容を把握した上で利用しなくてはいけません。
また、抵当権を設定する際は自分で行うと複雑なため、司法書士に依頼するのがおすすめです。資金調達に必要ですがリスクもあるため、個人でも法人でも用途に合う利点があるのか判断して行動してください。