金融機関から融資を受けたいときは、不動産担保ローンの利用を検討することができます。不動産担保ローンは多くの資金を得ることができ、用途も自由なので利用する際のハードルも低いからです。
ただ、メリットばかりでは無く、手数料などの支払いも発生するため、出費を確認して利用する必要があります。不動産担保ローンにかかる事務手数料以外にも、何があるのか把握しておくことも大事なので紹介しましょう。
不動産担保ローンの主な手数料とは?
不動産担保ローンを利用するときは様々な手数料が発生し、事務手数料もかかります。それぞれどのような特徴があるのか把握しておくこともも大事です。不動産担保ローンで発生する手数料について内容を紹介しましょう。
事務手数料とは
事務手数料は、利用する会社に支払う費用のことであり、名目は利用する機関によって変わります。金額は金融機関によって5万円など固定されていることもあれば、借入金額の2〜3%など変動することもあります。
もし、変動性で2%に収まっているなら、1,000万円の借り入れをした場合、事務手数料は20万円ほど支払う必要があるでしょう。そのため、事務手数料も確認しておかないと不動産担保ローンを利用の際に予想した金額を得られない場合もあります。
事務手数料がどれくらいかかるのか、事前に利用する会社側に相談して確認しておくようにしましょう。
保険委託手数料
保険委託手数料とは、連帯保証人など人的な保証を必要としない代わりに、ローン会社や金融機関に支払う費用です。保険委託手数料は相場的に2%ほどと言われており、高い金額設定はされていませんが、事務手数料と相関関係になっていることが多いです。
保険委託手数料を設定していない場合は、事務手数料が高めの設定にはなっており、費用負担が増すことがあります。逆に事務手数料が安い場合は保険委託手数料が高めに設定されていることもあるため、それぞれの価格に惑わされないよう慎重に見極める必要があります。
手数料によるトータルでどれくらいの出費が発生するのか金融機関に問い合わせると、詳細な情報を教えてくれるはずなので、確認しておきましょう。
印紙税
印紙税は契約書や領収書など、課税文書を提出するときに支払う費用です。不動産担保ローンだと金銭しょうひ賃借契約を締結するときに印紙税を支払わなくてはいけないため、出費として押さえておく必要があります。印紙税の金額は契約金額によって変化していき、
・1〜10万円は200円
・10万円〜50万円は400円
・50万円〜100万円は1,000円
・100万円〜500万円は2,000円
・500万円〜1,000万円は1万円
・1,000万円〜5,000万円は2万円
・5,000万円〜1億円は6万円
・1億円〜5億円は10万円
という価格です。
不動産担保ローンで得られる融資額が高いほど印紙税も高くなる傾向があるため、それぞれの金額を考慮して出費として計算しておくべきです。Webによる電子契約の場合は、国税庁の見解から印紙税が不要と見解が出ていますが、金融機関が対応していないため、費用は発生すると覚えておきましょう。
登記費用
登記費用は自分の物件を担保にするときに、不動産登記簿に抵当権の設定をしなくてはいけません。その際に登録免許税を納めなくてはならず、設定金額は借入れの0.4%ほどです。金額は融資額に応じて変動しますが、設定数値は高くは無いので大きな出費にはならないでしょう。
しかし、登記簿への設定は司法書士に依頼する必要があるため、報酬の支払いも念頭に入れておく必要があります。抵当設定でかかる司法書士への報酬相場は大体3〜5万円です。ただ、不動産の数が増えたり、設定金額が大きかったりする場合は報酬も高くなる可能性があるため、注意しておく必要があります。それぞれの費用を合わせて不動産担保ローンの出費を計算しておきましょう。
火災保険料
担保にする物件が建物であれば、火災保険の加入も必要になるため、場合によっては出費が発生することになります。すでに、加入済みであれば入る必要はないですが、金融機関によっては質権設定を要求されることがあります。
これは、火災が発生して物件が焼失した際に、保険金で債権を回収する措置です。また、火災保険に加入している証拠として、保険証券の写しは提出する必要があるため、準備しておきましょう。もし、新規で加入の必要があるなら、建物の構造によって出費が発生します。火災保険の加入の際は10万円以上の費用が発生することもあるため、確認しておくようにしましょう。
その他で発生する可能性のある費用とは?
不動産担保ローンを利用するときは、手数料や税金などが発生することもありますが、必要に応じてさらに出費が発生することもあります。どのような費用が発生する可能性があるのか以下をご覧ください。
調査費用
自分の所有物件を担保にするときは、どのくらいの評価額や価値があるのか査定する必要があります。金融機関としても、物件の価値が低い場合はリスクが高くなるため、融資額に見合った評価なのか確認する必要があります。
物件の調査では融資額の0.5%や固定された金額など、各ローン会社によって設定が異なるため、事前に確認しておくことが大事です。事務手数料などと一緒に含まれていることもあるため、別途なのかチェックしておくのが良いでしょう。
交通や郵送費
不動産担保ローンを利用するときは、交通費が発生するでしょう。例えば、金融機関へ出向くときに電車やタクシーなどを利用するなら、その分費用が発生することになります。また司法書士の事務所に書類の手続きを行う際も、交通費がかかることもあるでしょう。
それぞれローンに関係してかかる交通費は金融機関側が負担してくれる場合もあるため、確認しておくのがおすすめです。また、書類の送付をしてもらう場合は郵送費も発生します。大体少額で1,000円もかからないため、大きな出費にはなりません。それぞれの費用が発生することも念頭に置いておきましょう。
返済時にかかる手数料
不動産担保ローンを契約した後は、基本的に金利以外に手数料は発生しませんが、繰り上げ返済や条件変更をするときは、出費が出ることもあります。繰り上げ返済は金融機関によって認められていても、手数料を取る条件にしている場合もあるため、契約前に確認しておくのがおすすめです。
また、固定金利から変動金利に変える場合も手数料を取られることもあります。契約後も手数料が発生することはあるため注意してください。
【まとめ】それぞれの手数料を確認しておこう
不動産担保ローンを利用するときは、どのような手数料が発生するのか確認しておくことが大事です。事務手数料以外にも、様々なものがあり、中には高額設定されている場合もあります。しっかり内容を把握して計画的な支払いを行えるようにしましょう。