お金の融資を検討するときは、不動産担保ローンについて検討している人もいるでしょう。物件を持っているなら借入れを考えることができますが、一方で住宅ローンという融資の方法もあるため、「どちらを利用すれば良いのか?」と疑問を感じることもあるでしょう。
不動産担保ローンと住宅ローンの違いについて把握しておくなら、適切な選択を行うことができるはずです。それぞれの特徴とポイントを紹介します。
不動産担保ローンと住宅ローンのそれぞれの違いとは?
不動産担保ローンと住宅ローンは、それぞれに違いがあります。どのような点で違いがあるのか確認することにより利用を検討しやすくなるでしょう。以下のようなポイントがあるので、それぞれ紹介しましょう。
金利の差
不動産担保ローンと住宅ローンを利用するときは、金利の部分で差が生じます。不動産担保ローンの場合は金利が固定金利になっており、年率4〜15%が一般的です。一方、住宅ローンの場合は金利が固定と変動の2つから選択することができ、年率は0.6〜4.0%ほどが一般的です。
つまり金利設定のみであれば、不動産担保ローンよりも住宅ローンの方が優遇されていることになります。金利が低いほど返済負担は軽減することもでき、返済総額も抑えることが可能です。住宅ローンも不動産担保ローンも、どちらも長期的な返済になるため、金利は重要なポイントとして確認しておきましょう。
資金の使用用途に違いがある
不動産担保ローンと住宅ローンでは、資金の使用用途にも違いがあります。不動産担保ローンの場合は、物件を担保に融資を受けることができますが、資金の活用方法は基本的に自由です。融資で得た資金を元にして、新たに不動産や車の購入を行うこと、事業展開など、自分の目的に応じて様々な利用を行えます。
一方、住宅ローンの場合は住宅の購入費用としてのみ利用可能であり、事業資金などビジネスなどの利用はできません。自宅のリフォーム費用に充てることはできますが、住宅関係のみに制限されているため自由度は無いと言えます。そのため、資金の制限を受けたくない場合は不動産担保ローンを利用するのがおすすめです。
団体信用生命保険の加入義務
不動産担保ローンと住宅ローンでは利用するときに、生命保険の加入についても違いが生じます。例えば、不動産担保ローンの場合は生命保険の加入義務がありませんが、住宅ローンは生命保険への加入が義務付けられているため、加入していない場合は契約をしなくてはいけません。
生命保険に加入することになれば、新たに保険料を支払わなくてはいけないため、費用負担が増すことも考えられるでしょう。また、契約する住宅ローン会社によっては指定される場合もあるため、自分で自由に選択できないこともあります。
すでに生命保険に加入していて住宅ローン会社から問題ないと判断されているなら、大きな障害にはなりませんが、新たに契約する際はデメリットになることもあるため注意しましょう。
返済期間にも違いがある
不動産担保ローンと住宅ローンでは返済期間にも違いが生じます。どちらも長期的に返済していく点は同じですが、不動産担保ローンの場合は一般的に5〜10年ほどになり、住宅ローンの場合は最長で35年という長さで設定されています。返済期間のみを確認するなら、不動産担保ローンは割と早く返済しなくてはいけないため、借入金額によっては余裕がなく焦ってしまう場合もあります。
一方、ー住宅ローンの場合は30年という長さで住宅費用も高額ではないならある程度返済費用も抑えることができるため、ストレスなども抱え込みにくいです。不動産担保ローンと住宅ローンの期間も考えて借入れを検討してください。
住宅ローンと不動産担保ローンを利用するときのポイント
住宅ローンと不動産担保ローンは、それぞれ違いがあるため、自分の用途を考えて利用する必要があります。そして、住宅ローンと不動産担保ローンは誰もが利用できるわけではありません。住宅ローンと不動産担保ローンを利用する際のポイントについても紹介しましょう。
返済能力の有無を確認
住宅ローンと不動産担保ローンは、どちらも審査を通過しなくては融資をしてもらうことができません。審査の有無については主に返済能力がポイントになり、具体的には年収や職種、雇用形態、勤続年数、借入状況などです。
収入が安定していて、ある程度の年数同じ職場で勤務している状態であれば、返済能力が有りと判断されて住宅ローンの審査に通過できる可能性は上がります。しかし、最近転職して年数が経過していない人や、個人事業主などで毎月の収入が不安定な状態であれば、返済能力が不安視されるため、審査に落ちてしまう可能性があるでしょう。
また、不動産担保ローンの場合は返済能力と共に担保に入れる物件の評価額も影響します。物件の価値が低いようであれば金融機関は融資のリスクが大きくなるため、借入れできない可能性もあります。ローンを組む際は自分の返済能力について確認しておくようにしましょう。
自分の信用情報を確認
住宅ローンと不動産担保ローンを利用するときは、自分の信用情報についても確認しておくべきです。ローンを組むとき金融機関は申込者の信用情報の確認をして、借入状況や過去に金融事故を起こしていないのか確認します。金融事故とは、主に延滞や滞納などであり、ローン以外にクレジットカードの利用履歴などもチェックされます。
多少の滞納などは多めに見てくれる場合もありますが、何ヶ月も滞納していた経歴や債務整理、自己破産をした過去があるなら、どちらのローンも審査の段階で落ちてしまう可能性が高いです。金融事故を起こしている時点で、すでに返済能力が無いことを証明しているようなものだからです。特に、自己破産や債務整理は5年以上も履歴が残り、ブラックリスト化しているため、利用するのは難しいでしょう。
返済中の利用は残高と順位を確認
住宅ローンなどを返済中に、不動産担保ローンを利用したい場合もあるでしょう。その際は、住宅ローンの残高と第二順位でも借入れできるのか確認する必要があります。まず、不動産評価額よりも住宅ローン残高が下回っていなければ不動産担保ローンは利用できません。評価額が低い物件だと利用できない可能性もあるため注意しましょう。また、不動産担保ローンの場合は第一順位のみ受け入れ可能で第二順位以降は取り扱ってくれない場合もあります。その点も注意しておくようにしましょう。
【まとめ】不動産担保ローンと住宅ローンの違いを把握して利用しよう
不動産担保ローンと住宅ローンは、それぞれ違いがありますが、どちらも用途に合わせて資金を得ることができます。融資の際にどちらを活用できるのか考えて、利用を検討してみましょう。