不動産担保ローンを利用するときは、物件を準備しなくては融資を受けることができません。ただ、自分が物件を持っていなくても、親がマンションなどを持っているなら担保として借入れをすることもできるため、検討することができます。
ただ、親名義の物件で親が死亡した場合、借金はどうなるのか疑問に思う人もいるでしょう。親名義と死亡について不動産担保ローンの内容を紹介しましょう。
親名義で不動産担保ローンを利用するときの注意点
親名義で不動産担保ローンを利用することは可能ですが、注意点を把握しておくことは大事です。親名義の場合は内容を把握しておかなければ、金銭トラブルに陥ってしまうこともあるからです。以下の注意点を確認してください。
親から了承を得るようにする
親名義で不動産担保ローンを利用するときは、了承を得るようにしておくべきです。親名義の不動産を自分の融資のために無許可で担保にするなら、親とトラブルを引き起こす発端になるでしょう。また、不動産担保ローンの手続きでも連帯保証人として親の同意が必要になり、万が一のトラブルが発生した際は返済をしてもらう必要があるため無断で利用することは不可能です。
また、不動産担保ローンを利用したい場合は親の許可を得ておき、必要書類の準備や署名、捺印などもしてもらう必要もあります。スムーズに親名義で借入れを行いたいなら、親に融資の理由を伝えて納得してもらい、物件を担保として利用できるようにしましょう。
全ての不動産担保ローンが親名義で借入れを行えるわけではない
不動産担保ローンを利用するときに、親名義で物件を借入れすることができますが、全ての会社が対応しているわけではありません。現在ではほとんどの会社が「親名義でも担保にできる」と認めていますが、融資条件が厳しい会社の場合は本人所有のみになっているところもあるからです。
そのため、不動産担保ローンを利用するときは、まず融資条件をしっかり確認することが大事です。親名義でも問題ないことを確認できれば物件の審査をしてもらい、希望額の融資を行ってもらえるのか確認して決定してください。
親の年齢によっては審査が厳しくなる場合もある
親名義の物件を担保にする場合、所有者の年齢もポイントになります。担保名義人の年齢が高い場合は親が正常な判断が可能なのか確認するため、別途で審査されることもあるからです。これは、正常な判断ができずに契約して所有者が損害を被ることを防ぐための措置です。
特に年齢が高くなれば認知症などによって判断能力が落ちることもあり、意思疎通ができないことも十分あります。チェック方法としては、担当者との直接面談や医師の診断書の提出などがあります。詳細な点は担当者と相談することで確認できるため、確認してみましょう。
不動産担保ローンで契約者が亡くなった際のポイント
不動産担保ローンは親名義であっても利用することができますが、亡くなったからと言って借金が無くなるわけではありません。不動産担保ローンの借入れは遺族が引き継ぎ、返済を継続しなくてはいけないため、しっかり内容を理解しておくことが大事です。
親名義の物件で契約をしているとき、その状態によって相続のポイントが変わります。それぞれの状況に合わせた内容を紹介しましょう。
抵当権付きの不動産相続する場合
不動産担保ローンで親名義の抵当権付きの物件を担保にしていた場合、どうすべきか考える必要があります。抵当権付きということは、すでに借入れをしているときに他の会社からも担保にされている状態と言えるため、遺族が不動産を引き継いだとしても、借入金額によっては資産としての価値がない場合もあるからです。
もし、相続したなら、返済はそのまま継続となり、複数人いる場合はどのように分配するのかしっかり話し合う必要が出るでしょう。もし、相続の際に話がこじれてしまうようなら、弁護士など専門家に依頼して適切な対応をしてもらえるようにしてください。
ただ、抵当権付きの不動産の価値と残債を比較して損失分が大きいようであれば、財産放棄することもできます。ただ、財産放棄を行うなら借金返済の義務は無くなりますが、物件は失うことになり、相続権の移動などによりトラブルが発生してしまうこともあります。
特に、次の相続権がある人の場合は財産放棄について伝えておく必要があるため、連絡を忘れないようにしてください。
団体信用保険に加入していた場合
不動産担保ローンの契約時に団体信用保険に加入していた場合、親が死亡したとしても遺族は借金の返済をしなくて済みます。団体信用保険に加入していれば親の死亡で保険が下りるため、その金額で残債を全て返済に充てることができるからです。そのため、遺族は不動産を失わず相続することが可能です。親名義で物件を担保にする場合は、団体信用保険の加入有無を確認しておくことが大事です。
団体信用保険に加入されていることを確認できれば、借金は問題ありませんが、未加入の場合は残債の支払い義務が発生します。未加入であれば不動産担保ローンを利用する前に団体信用保険への加入を検討できますが、親の健康状態などによっては審査の段階で落ちてしまうこともあります。団体信用保険は相続について大事なポイントになるため、しっかり押さえておくようにしましょう。
リバースモーゲージの場合は死亡時に物件は処分される
不動産担保ローンでは、リバースモーゲージと言われる商品もあります。リバースモーゲージは契約者が自宅を担保にし、死亡したときに残債の清算を行う制度です。高齢者の方が生活資金の確保のために融資を受けることができるため、利用者が増加しています。
親が死亡した際に借金があるなら、通常は遺族が引き継ぐことになりますが、リバースモーゲージは自宅の担保金額分のみになっているため、契約者は残債を返済する必要がありません。契約者も利息分のみを支払うだけでいいので、返済負担を軽減することができるメリットもあるため、利用しやすい制度と言えます。
ただ、リバースモーゲージを利用しているなら、親と同居している人は注意が必要です。同居人よりも契約者の方が先に亡くなってしまった場合、同居人は自宅を失うことになるからです。不動産担保ローンとしてリバースモーゲージを利用する際は、自分たちの状況を確認してから決定するようにしてください。
【まとめ】不動産担保名ローンでの親名義による契約は事前の確認が大事
不動産担保ローンで親名義で借入れをするときは事前の確認、また死亡時は物件や契約内容によって返済義務などが変わってきます。ちなみに、住宅ローンなども不動産担保ローンと似ている部分があるため、比較して内容を確認してみるのもおすすめです。親名義でのローンはリスクもあるため、しっかりチェックして利用してください。