会社で現金がない場合はどのようにすべき?黒字経営でも把握しておくべきポイントや理由を紹介!

会社としては事業をスムーズに進行させていくために、資金のやり繰りが重要になります。基本的に事業による収益を発生させておき、収入が支出を上回っていれば問題ないように思えますが、状況によっては現金がないケースも生じます。

黒字経営していても現金がない場合は、必要経費を支払えなくなり、倒産の危機に直面する可能性もあります。会社で現金がない場合の対処法やポイントについて内容を紹介致します。

黒字経営でも現金がない理由と原因とは?

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黒字経営しているなら、通常は会社にお金がある状態となっているため、資金面で心配が入らないように思えます。しかし、黒字経営でもお金が常にある状態とは限らず、場合によっては資金が底をついてしまう可能性があります。どのような理由があるのか内容を紹介しましょう。

入金と出金にタイムラグが生じている

事業と経営が順調に成長している段階の際は、収益が発生しても資金が不足するケースもあります。取引先からの受注や店舗の売上が増加しているなど、企業にとって良い傾向であるなら、資金面で不安はないように思えます。

しかし、初期投資によって始めに資金をたくさん使用しているなら、支出が多くなり、会社側に資金の残高が少ない可能性が高いです。収益を得られていても事業によっては、入金は数ヶ月先になるケースもあるため、会社が資金を得るのにタイムラグが生じます。

売上が伸びてくると従業員やパートの雇用も必要になり、経費支出がさらに進行するケースも多いため、資金が不足することもあるでしょう。そのため、黒字経営であっても会社に資金が必ずある状態ではないため、社長は入金されるタイミングで資金が底をつかないのかチェックしておく必要があります。

資産勘定に問題がある

経営する際に資金の流れを記録するために資産勘定は重要です。ただ、会社経営の状況によっては、資産勘定に問題やミスが生じて、資金がない状態になる場合もあります。例えば、売掛金が回収できていないケースです。

事業で契約や収益を得たとしても直ぐに入金されるわけではなく、売掛債権として期日が設定されているケースは多いです。売掛金は会社の支払い方法として一般的ですが、資産勘定と資金の状況は異なります。

事例として、商品を納品して100万円の売上を得ていても入金が3ヶ月先であれば、その期間まで会社にお金はない状態です。しかし、試算表では納品してから売上として100万円が計上されている状態で口座への入金はなしです。

そのため、試算表で口座へ入金と記載がない状態なら、資産勘定では会社に資金があると判断して支出が増えてしまうケースもあります。経理を行う際は試算表で売掛金と口座への入金をしっかり記載していないと、ミスから資金が底をつくケースもあるため注意すべきです。

現金が社外に流出している

現金が社外に流出している場合も、資金が底を付く場合があります。例えば、会社の現金を役員個人に100万円流用したとします。すると、短期貸付金100万円、普通預金100万円となり、会社の口座から100万円が減少する計算です。

ただ、役員が流用した100万円は経費として処理はされず、会短期貸付金として、会社の資産として処理されているなら、本来ある現金が社外に流出しているため、収益があっても会社にお金がない状態になるケースがあります。

特に、社長は生活費を一時会社から拝借という形で流出することもあり、金額が大きいなら黒字でも倒産するリスクがあるため注意すべきです。また、社長によってはプライベートの支出も領収書を交付して会社の現金を使用して、個人口座に振込みしてもらうなど、公私混同してしまうケースもあります。

その場合、決算書にも影響が出て賃借対照表に個人への貸付を計上しなくてはならず、金融機関への借入れなどにも影響が出ます。

黒字経営で倒産しないためのポイントとは?

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会社の事業が上手くいっていて収益を得て黒字になっていても、収入と支出のバランスが悪くなっていれば倒産してしまうリスクもあります。黒字倒産というリスクを避けるためにも、ポイントを押さえておくのは大事なので内容を紹介しましょう。

キャッシュフローを計算して会社の状態をチェックしておく

会社のキャッシュフローを計算して、資金がどれほど使用できるのか計算しておくのは重要です。キャッシュフローに関してはいろいろな方法でチェックを行えますが、1つ目は(当期利益−法人税+減価償却費)という計算方法です。

損益計算書の当期利益から法人税や地方税の金額をマイナスにし、税引後の利益に減価償却費を足せば、決算書を見ただけで瞬時に確認できます。減価償却費は現金の支出を伴わない費用になるため、プラスにしても問題はありません。2つ目は(当期利益−法人税+減価償却費+引当金増加額)の方法です。

引当金は将来発生する可能性の高い費用が損失であり、原因は当期以前の事柄です。引当金に該当するのは主に貸倒引当金や賞与引当金であり、お金の流れを把握できます。3つ目は2つ目の方法で出た金額を元にして、さらに実用的な数字を出す方法です。

(2つ目の方法−売掛金−受取手形−棚卸資産+買掛金+支払手形)の計算式により、営業面の詳細な内容を考慮して会社の資産をチェックします。キャッシュフローは現金化されていない金額や支払っていない金額も含めて、資金力を把握できるため、作成して確認してください。

資金繰り表を作成する

キャッシュフロー計算書を作成できれば、お金の流れを把握できますが、十分な財務管理を行えるわけではありません。さらに、資金の流れを把握するためには資金繰り表の作成も行いましょう。資金繰り表の基本は毎年の事業計画書を作成することがポイントです。

事業計画書には短期と長期がありますが、資金繰り表は1年間の短期向けです。毎年の事業スタートで月単位の事業計画書を作成し、収支の予測を行うなら、資金の流れを詳細に把握することが可能です。売上計画、経費計画、投資計画で分けて考えるなら、より資金のバランスをチェックできるので、経理担当者などを配置して作業してください。

【まとめ】会社のお金の流れを把握して事業計画を進めよう

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会社の事業が成功していても、常にお金がある状態とは言えません。キャッシュフロー計算書を作成してお金の流れを詳細に確認できる状態でなくては、黒字倒産するリスクもあるため、経理内容はとても重要です。手間がかかる作業もありますが、経営を正常に行うために、ぜひ考慮してください。