不動産担保ローンを徹底解説!金利は?手続きの流れは?

不動産投資において必要となる事業用(収益用)不動産。

事業で不動産を購入する場合として、不動産投資ローンを組むことがあります。しかし、一体どのような特徴があるのか、どの金利が適用されるのか、など具体的な情報について中々触れる機会はありません。

また、不動産を購入するという面で利用される住宅ローンとの違いについても、よく理解できていない方も多いでしょう。
今回の記事では、不動産投資ローンの詳細や手続きなどに触れながら、住宅ローンとの違いなどについて解説していきます。

この記事を読んで、不動産投資ローンの理解を深めていってくださいね。

不動産投資ローンとは?

重ねられたコイン

不動産投資ローンとは、事業として不動産を購入するために借りるローンを指します。

アパートローンとも呼ばれます。

個人・法人問わず利用可能です。

住宅ローンとの違いについて

不動産投資ローンとよく比較されるものとして、住宅ローンがあります。一見、似たような条件で利用できると思われがちです。しかし、この2つのローンには決定的な違いが存在します。

その違いとは、

不動産投資ローン:「事業用」のローン

住宅ローン:「自身の居住用」のローン

であることです。

他人に賃貸として提供する住宅なのか、もしくは自分が住む住宅なのかがローンを組む際の判断基準となります。
住宅ローンは自分が所有する住宅を購入するためのローンです。そのため不動産投資を目的とした物件を住宅ローンで購入することはできません。賃貸に出す場合には、不動産投資ローンを用いて物件を購入する必要があります。

また、不動産投資ローンは住宅ローンと比較して、「審査基準が厳しい」・「変動金利が9割」であることも挙げられます。

住宅ローンを組んで事業用不動産を購入するとどうなる?

不動産投資に利用する物件を住宅ローンを組んで購入すると、重大な契約違反となります。

一般的には、住宅ローンでの金利は0.5〜2%、不動産投資ローンでの金利は1.5〜4%とそれぞれ異なります。
住宅ローンの場合には、契約者が働き続ける限り、原則として返済し続けることが可能です。そのため、貸し倒れが少なく、ローンサービスを提供する金融機関の損失が比較的少ないです。それにより、住宅ローンの金利は低く設定されています。

反対に、不動産投資ローンの場合には金利は1.5〜4%と高く設定されています。

その理由としては、空室・一時的なリフォームなどにより家賃収入が減少、または得られないリスクがあるからです。そのため、金融機関はその損失をできるだけ少なくするため、金利が高く設定されています。

住宅ローンでは、物件を「居住用」として契約することになります。そのため、契約内容と異なる方法で物件を利用すると、違反となり契約者の責任追及がなされます。

不動産投資ローンにおける金利

書類にサインをする場面

不動産投資ローンでは必ず金利が発生しますが、その際に「変動金利」と「固定金利」の2種類から選ぶことができます。

金融機関によってどちらの金利による借入が可能かは異なります。そのため、借り入れる際には確認することが重要です。

変動金利と固定金利の違いとは

「変動金利」と「固定金利」には大きな違いがあります。
以下で詳しく解説していきます。

変動金利

変動金利とは基準金利(短期プライムレート)の変動によって、不動産投資ローンの金利が変動し返済額も同時にその都度変わるものです。


変動金利によるメリットは、金利水準が固定金利よりも低いこと。

固定金利よりも「低く借入できる」ため、将来金利が上昇しなかった場合には総合的な返済額を少なくできます。

一方、デメリットは、その名の通り金利が変動するリスクがあること。

金利が上昇し、急に支払額が増えると返済が難しくなってしまう恐れがあります。
しかし、金利上昇による負担を抑えるため、5年ルールと125%ルールが金融機関によって決められている場合もあります。

5年ルール:通常、借入から半年後には見直しが行われますが、その間に金利が上昇した場合でも5年間は返済額が変わらないというルールです。


125%ルール:金利が上昇し、見直し前の返済額の125%以上を超える額となってしまう場合でも、返済額の125%が上限となるルールです。

固定金利

固定期間の間は金利が変わらず固定されるものです。

固定金利のメリットは、やはり金利が変動するリスクがないこと。

固定期間中は金利が変動することなく、借入時に取り決めた返済額で支払いができるため、安心して不動産投資に臨むことが可能です。

一方デメリットは、

  • 固定期間が終わると金利の見直しが発生すること
  • 将来金利が下がった場合でも、その恩恵を受けることができない

という2点があります。

固定金利には、前述にある通り固定期間が存在しています。しかしその固定期間は永久的なものではないため、期間が終了次第金利が見直されます。変動金利と比較して、金利が「高く設定されている」ため、金利変動の状況によっては変動金利以上の返済額を負うことになります。

不動産投資ローンまでの手続きの流れ

会議・ミーティングをする図

不動産投資ローンを利用するまでの流れを1つずつ解説していきます。

  1. マンション等の物件購入契約時に、販売元の担当者と「重要事項説明書」の事項・内容を確認します。
  2. 重要事項説明を受け、問題が無ければ売買契約の手続きを行います。
    (ただし、ローンの審査が通れば購入し、通らなければ契約を解除する「ローン特約」が一般的に結ばれるため、万が一審査に通らなかった場合でも安心して手続きを進めることが可能です)
  3. 契約後、銀行での面談・説明を受け、金消契約(金銭消費賃貸契約)を締結します。
  4. 不動産の残代金支払、及び引き渡し時に金融機関で契約した融資が実行されます。この際、同時に所有権・登記を購入者に移し、購入した物件に金融機関の抵当権設定登記が行われます。
  5. 約2週間〜1ヶ月程度で権利書が手元に届きます。

これで不動産投資ローンを利用するまでの流れは完了です。

団体信用生命保険(団信)とは?

団体信用生命保険とは、ローンを組んだ物件購入者に不測の事態が起きた際に、代わりにローンの残債を返済してくれる生命保険です。

一般的な生命保険とは異なり、現在ある物件の残債を全て保険金で弁済してくれるという特徴があります。そのため、購入者本人が死亡・または高度障害が残ってしまっても、家族には不動産からの家賃収入のみが残るようになります。

これにより、家族に返済の義務を残すことなく、自分の住宅に住み続けることが可能です。

【まとめ】重要なのは、現状に合った返済プランや金融機関を選択すること!

電卓と書類とペン

今回は、不動産投資で利用する「不動産投資ローン」について解説しました。
このローンを上手く活用することによって、不動産投資を行うにあたってよりスムーズに運用できます。
ローンを組む際に重要なのは、現状に合った返済プランや金融機関を選択することです。無理のない投資・返済計画を組み立て、返済事故を防ぐようにしましょう。