物件を所有しているなら、不動産担保ローンを利用することも可能です。物件を担保にするなら、価値に応じた金額を融資として受けることができるため、自分の目的に応じた活用ができます。
ただ、物件の担保ローンにも様々な方法があり、リバースモーゲージの利用も可能です。ただ「リバースモーゲージと不動産担保ローンは何に違いがあるの？」と疑問を感じる人もいるでしょう。今回の記事ではリバースモーゲージの内容について紹介致します。
リバースモーゲージの仕組みと不動産担保ローンとの違い
不動産担保ローンとリバースモーゲージはどちらも、物件を担保に入れて借入れするのは同じです。ただ、それぞれの仕組みは異なっています。不動産担保ローンの場合は、まとまった金額を低金利で借入れすることができます。
また、不動産を担保にすることで長期的に返済計画を立てることができ、法人や個人を問わずに資金使途も自由です。一方、リバースモーゲージの場合は、老後資金を充実することを目的としており、対象は個人のシニア向けになります。
銀行や信用金庫、地方自治体が取り扱っており、自宅を担保にすることで資金を得ることができます。このようにリバースモーゲージと不動産担保ローンでは仕組みが異なるので、よく考慮するのが重要です。2つのポイントについてさらに詳しく紹介致します。
資金の使用範囲と担保となる不動産
不動産担保ローンとリバースモーゲージでは、資金の使用使途が異なります。不動産担保ローンでは、原則使用は自由です。入手したお金はビジネスで事業に使用するのもよければ、プレゼントの購入や旅行などのプライベート、また相続税や贈与税など、税金の支払いに利用するのも問題ありません。
一方、リバースモーゲージは消費性資金や住宅関連資金のみを対象としており、事業や投資などにお金を使用することはできません。自宅を売却した後に家賃の支払いなどには利用できても、他のものには使用できないため、この点を把握して利用すべきです。
また、担保となる物件も不動産担保ローンの場合は自宅はもちろん、戸建てやマンション、土地など幅広く全般を対象にしています。しかし、リバースモーゲージの場合は基本的に借入人の自宅のみであり、マンションや土地などは取り扱っていないケースが多いです、物件の種類に応じても、どちらを利用するのか考慮しておきましょう。
不動産評価額に対する融資限度額と担保順位
不動産担保ローンとリバースモーゲージは、融資の金額などにも違いがあります。不動産担保ローンの場合は物件の評価額において70〜80%が融資限度額です。例えば、2,000万円ほどの価値があるなら、1,400〜1,600万円ほどの範囲で借入れを行えます。
また、物件の担保順位は金融機関によっては1位にしているケースが多いですが、2位以下でも受け入れしてくれるケースもあるため、比較的融資を検討しやすいと言えます。リバースモーゲージの場合、融資限度額は50〜60％ほどです。
そして、原則1億円以内になっているため、高額な物件は利用できません。また、担保順位は1位が条件であり、2位以下では審査を通過することができないので厳しいです。つまり、すでに他の金融機関に担保にしているなら、リバースモーゲージの活用は難しいので注意が必要です。
返済方法と人
不動産担保ローンとリバースモーゲージであれば、返済方法についても把握しておくのが重要です。不動産担保ローンの場合は設定された期間内に、借入人自身が融資の全額を返済します。その際は利息に応じた費用も加算されるため、融資の金額よりも大きくなる可能性もあります。
利用する際は審査によりますが、法定相続人の同意は不要となるケースもあるでしょう。一方、リバースモーゲージの場合は契約期間中は利息のみの支払いになり、返済額は大きく抑えることが可能です。ただ、借入人が死亡した後は、法定相続人が手続きをして元金を返済する必要性が生じます。
物件を売却して返済する方法もありますが、借入人1人では履行できないため、利用する際は法定相続人の同意も必要になります。これらの違いについて把握しておきましょう。
不動産担保ローンと比較したリバースモーゲージのメリットとデメリット
もし、リバースモーゲージを活用して資金を得たい場合は、どのようなメリットやデメリットがあるのか把握しておくのも大事です。リバースモーゲージは魅力がありつつ、リスクもあるためバランスを考慮しておくのが大事です。どのようなメリットやデメリットがあるのか紹介します。
メリット.高齢者でも利用でき利息の支払いのみに抑えられる
リバースモーゲージのメリットは高齢者でも利用でき、利息の支払いのみに抑えられる点です。不動産担保ローンなどの場合は大体20〜30年の期間で返済していくため、年齢制限が科されており、60歳以上になると完済できるのか不透明になるため、借入れできない可能性があります。
一方、リバースモーゲージは50〜60歳以上の方を中心に提供しているサービスになるため、借入れを行うことができます。生活資金や医療費などに活用できるため、貯金や保険、資産だけでは心許ない方でも前向きに利用可能です。
さらに、リバースモーゲージの場合は支払いは利息のみであり、少ない出費で自宅に住み続けることが可能です。不動産担保ローンのような融資の場合は月々の返済が金利を含めるため、高額になるケースがあります。このようなメリットがあることを把握して活用しましょう。
デメリット.資産価値の低下や配偶者などに迷惑をかける場合もある
リバースモーゲージは自宅を担保にお金を得られますが、契約後に価値が下がれば、融資限度額が引き下げられるリスクもあります。借入額が融資限度額を超える状態になれば、お金を一部返済しなくてはいけないケースもあり、思わぬ出費になるケースもあります。
また、債務者が死亡した場合、自宅は金融機関の所有になえうため、配偶者が住めなくなるリスクも検討すべきです。金融機関によっては配偶者名義で借り換えできる場合もありますが全てではなく、審査に通過できない可能性もあるため、迷惑をかけないように対処する必要があります。
【まとめ】リバースモーゲージの利用を検討してみよう
リバースモーゲージの内容について紹介してきました。リバースモーゲージはメリットもあればデメリットもあるため、よく計画する必要があります。後に後悔しないことが大事なので、よく考慮して利用するようにしましょう。