土地を所有しているなら資産になるため、税金がかかります。土地の規模や状態によってかかる税金額は異なるため、しっかり内容を把握しておくのは重要です。土地は基本的に固定資産税として課税されますが、税金がかからない場合もあるため、節税対策として利用することもできます。
ただ「どのような場合だと税金はかからないの?」と疑問を感じる人もいるでしょう。土地の税金について今回の記事で内容を紹介致します。
土地の税金がかからない条件とは?
土地は本来、固定資産税や都市計画税などがかかるので、税金を支払う必要があります。しかし、条件によっては税金を支払わなくても良い場合があるので、ポイントを押さえておくのは重要です。どのような条件があるのか内容を紹介しましょう。
一定の所有者は税金がかからない
土地を所有しているのが誰なのかによって、税金は免除される場合があります。それは、公立の学校や病院、市区町村役場、国や自治体が所有している土地です。また、地方税法に定められた公的性質の強い墓地や保安林の土地、公共の道路に面していて不特定多数の方が通行に使用している際は、固定資産税がかからない可能性もあります。
公的なものに関しては管理しているのか行政になるため、免税されています。また、宗教法人の所有している土地も固定資産税はかからず免除対象です。そして、宗教法人に無償で駐車場などを貸し出している場合も、申請すれば税金のかからない土地になるので、節税として利用している人もいます。ただ、私学などの場合は公的な管理外になるため、税金がかかります。
土地や建物の評価額によって変わる
税金の支払いは、土地やマンションなどの不動産の評価額によって決まります。固定資産税には免税点があり、基準を下回る評価額の場合は支払わなくて良いです。土地の場合は山林以外で評価額が30万円未満だと非課税という扱いになります。そのため、29万円までの評価であれば税金を支払わずに済みます。
土地に建物がある場合は、課税評価額は20万円未満です。ただ、建物と土地は別々で評価されます。例えば、土地の評価額が30万円未満でも、建物の評価額が20万円以上であれば、物件のみ税金がかかります。
また、固定資産税の免税は点は同一市区町村で計算するため、複数所有している方は注意すべきです。例えば、2つの土地を所有していて両方ともに20万円の評価額とします。1つ1つの評価は課税の基準未満ですが、合計すると40万円になるので、合算した金額で課税されます。複数所有している人の場合は固定資産税がかかる可能性が高いので、しっかり計算しておくのがが良いでしょう。
特別控除の特例を活用
土地を売却する際も税金がかかりますが、特例を利用するなら非課税になる場合があります。例えば居住財産を譲渡したい場合は「3,000万円の特別控除の特例」を利用することが可能です。自分が住んでいたマイホームを売却する際に所有期間に関係なく、譲渡所得から3,000万円を控除できます。3,000万円以下であれば譲渡所得税がかからないので、節税対策として利用できます。ただ、特例を利用する際は、条件を満たすことが必要です。条件は
・売却する不動産が自分の居住用である
・家屋を取り壊して売買契約までの間に駐車場など貸地として利用していない
・過去2年以内に3,000万円特別控除などの損益通算、繰越控除の特例を適用されていない
などです。
特別控除の条件に該当していない部分がある場合、活用することはできません。建物を解体してから売却するケースもあるため、適用条件を満たしているのか確認して申請しましょう。
10年超所有軽減税率の特例
特例を利用して売却を行っても、譲渡所得がプラスになる場合は税金の支払いが必要です。ただ、土地と解体したマイホームの所有期間が10年を超える場合は、譲渡所得の内6,000万円以下の部分に対して軽減税率が適用されます。そして、10年超所有軽減税率の特例は上記で紹介した特別控除と併用することができるため、より節税対策を行うことが可能です。
例えば、不動産の所有期間が15年ほどで譲渡所得が5,000万円で併用しないパターンだと5,000万円×14.21%であり、710万5,000円という譲渡所得がかかります。しかし、併用すると3,000万円を引かれるため、2,000×14.21%になり、284万2,000円とかなりの金額を節税できます。
軽減税率の特例も適用させるには8つの条件を満たす必要があるので、しっかりチェックしておきましょう。
被相続人の居住用財産の特例
土地を相続する際も税金がかかるケースがありますが、特例を受けて節税できるケースもあります。「被相続人の居住用財産の特例」と言われるものであり、空き家となった実家を相続する際、3年目の年末までに土地を売却すれば、最大3,000万円の控除を受けられます。
建物を解体して更地で売却する場合にも適用できるため、節税対策として利用することができます。条件は
・昭和65年5月31日以前に建築された家屋
・相続から売却まで空き家であること
・売却代金が1億円以内であること
など5つあります。
それぞれの条件を確認して、適用できるのかチェックしてみましょう。
土地に関するQ&A
土地は所有や売却、相続などにより税金がかかります。ただ、それぞれ税金がかかる条件などについて詳細に知っておきたい部分もあるでしょう。土地と税金についてQ&Aで内容を紹介しましょう。
土地の固定資産税が0でも相続税は対象になるの?
土地の評価額が30万円未満で相続した際でも、固定資産税の対象にはなります。土地としての価値は持っているため、相続税の計算により算出した金額を支払う必要が生じます。相続税は故人が所有していた全財産によって合算した金額で課税されるため、他の価値のある物があれば、支払う税金は高いです。
急に固定資産税が課税されることはあるの?
固定資産税が0の土地も急に課税対象になるケースはあります。それは2つのパターンがあり、
・同一市区町村内で土地や建物を取得
・地価が上昇して評価額が上がったとき
です。
上記でも紹介しましたが、土地は所有数によって合算されるため、同一市区町村内で新たに購入すると、課税基準になってしまうケースもあります。また、土地の需要が上がると価値が上がり30万円以上になるケースもあるので、常に確認しておきましょう。
【まとめ】土地の税金について把握しておこう
土地は税金がかかりますが、状態や特例などを利用するなら免税または節税につながります。そのため、土地の税金について節税したい場合は特例の条件などをしっかり把握しておき、できるだけ支払金額を抑えるようにしましょう。