マンションを購入したほうがいいのか、このまま賃貸に住み続けた方がいいのか分からない。
でも大きな買い物だから簡単には選択できない…そんな方は多いのではないでしょうか。
今回の記事ではマンション購入・賃貸ではどちらが得なのか解説していきます。
マンション購入と賃貸のそれぞれのメリット・デメリットについても紹介します。
マンションは「購入」「賃貸」どちらが得?
マンションは購入した方が得なのでしょうか?それとも賃貸のままでいいのでしょうか?
これはライフスタイルやライフプランによって異なるため、どちらが得とは簡単に言えない問題です。
例えば50年間以下の条件で、賃貸物件と持ち家で生活した際にかかる住居費を比較してみましょう。
①家賃10万円前後の賃貸物件に住み、3回引越すケース
・家賃10万×12か月×50年=6,000万
・入居の際に払う敷金や礼金含む手数料25万×3回=75万
・更新料10万/2年×23回=230万
・引越し代25万×3回=75万
上記の合計6,380万円
②3,500万円のマンションを購入して住み続けるケース
元利均等返済
金利1.47%
返済約10.7万/月×12か月×35年ローン=4,479万
(https://www.sumai-info.com/simulation/jishitukinri.html
のサイトの住宅ローンシミュレーションを用いて計算)
購入時の諸経費140万(新築マンションの諸経費の相場である物件価格の4%で計算)
管理費・税金・修繕費35万×50年=1,750万
上記の合計6,369万円
この条件だと、①②とも、50年でかかった費用はあまり変わりません。
しかしこれには考慮すべき点が多くあります。
まず短期間における住宅費は、賃貸の方が安くなることが多いです。
しかし必ずしも①のように同じ家賃の家に50年間住み続けられるとは限りません。
子供が増えて今の間取りが手狭になったり、転勤になったりして、家賃の高い所に引っ越す可能性があるからです。
②に関しても同じことが言えます。
賃貸はずっと家賃が発生しますが、持ち家はローンを払い終われば住宅費の支出は大幅に減ります。
しかし転勤などの理由で購入したマンションを売却や賃貸に貸し出して、引っ越す可能性もあります。
また、賃貸とは異なり長年住んだ家をリフォームする際も費用がかかります。
つまり①や②以外に記載している以外にも、それぞれ他の費用がかかる可能性は大いにあり得るのです。
また、上記で使用した諸経費や手数料などはもちろん目安であるため、実際は異なる金額になります。
例えば、中古マンションを購入してリフォームや設備交換を行った場合、その費用も上乗せされます。
つまり実際はこの数値から大きくかけ離れた結果になる可能性が高いのです。
そのため、マンションは購入した方がいいのか?賃貸の方がいいのか?というのをどちらが得かで選ぶのは難しいと言えます。
個人のライフスタイルや今後のライフプランにあった物件を購入する方が大切でしょう。
マンション購入のメリット
近年人気のマンション。マンションの購入にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
資産形成
購入したマンションは自分の資産となり、将来的に売却や賃貸で収益を得ることができます。
あまり長期間経過すると老朽化が進み資産価値は少なくなりますが、子供や兄弟に譲ることも可能です。
安定した住環境
自分の所有物件であるため、賃貸と違って引越しの必要がなく、長期間同じ場所に住むことができます。
また、一般的に賃貸物件と比べて、内装・設備やセキュリティのクオリティが高く暮らしやすいとされています。
自由な改装
賃貸物件と異なり、自分の好みに合わせて自由にリノベーションや改装ができます。
ローン完済後の負担軽減
住宅ローンを完済すれば、家賃のような定期的な支払いがなくなり、住居費が大幅に削減されます。
「団体信用生命保険」に加入していれば、万が一名義人が死亡して住宅ローンの返済が難しい場合でも、保険会社が住宅ローンの支払いを行なってくれるため家族も安心です。
マンション購入のデメリット
それでは逆にマンションを購入した際のデメリットにはどんなものがあるのでしょうか。
初期費用が高い
頭金や諸費用など、購入時に多額の初期費用が必要になります。
住宅購入費用とは別に数百万単位必要になることが多いので、購入を予定している方は多めにお金を準備しておきましょう。
維持費用
物件の費用以外にも管理費や修繕積立金、固定資産税など、所有者としての維持費用がかかります。
毎月の住宅ローンを支払い終わっても、これらの費用はマンションを所有し続ける限り発生するため注意しましょう。
資産価値の変動リスク
マンションの資産価値は市場の変動に影響を受け、今後下落するリスクがあります。
また年数が経過すると、老朽化により不動産自体の価値も下がってきます。
特に立地によっては需要がないため売却できないこともあります。
ライフスタイルの変化に対応しにくい
転勤や家族構成の変化など、ライフスタイルの変化に柔軟に対応することが難しい場合があります。
賃貸マンションのメリット
近年は家族が増えても、賃貸住まいを続ける人が増えてきました。
そんな賃貸マンションのメリットとは何なのでしょうか。
初期費用が少ない
賃貸マンションは購入に比べて初期費用が少ないというメリットがあります。
敷金礼金は発生しますが数十万程度です。
それに対し、マンション購入時の税金や手数料を含めた諸経費は数百万単位かかります。
また、賃貸の場合は固定資産税が不要です。
引越しが簡単
転勤やライフスタイルの変化に応じ、気軽に引越しが容易です。
マンションを購入してしまうと、家族が増えて部屋数が少ない時や、遠方への転勤の時、簡単に処分できません。
売却や賃貸貸し出しを行う場合も様々な手続きが必要になります。
また逆に子供が独り立ちした後、小さな部屋に引っ越しして家賃を抑えたり管理しやすくすることが可能です。
修繕費用が不要
マンション購入の場合、修繕や設備の修理は自分達で行うことになります。
賃貸の場合、物件の修繕やメンテナンスは大家や管理会社が行うため、自分で費用を負担する必要がありません。
賃貸マンションのデメリット
それでは賃貸のデメリットにはどういうものがあるのでしょうか。
資産にならない
当たりまえですが、賃貸物件は資産にならないため、家賃を支払っても将来物件を手元に残すことはできません。
老後に住むところがない
老後に賃貸の家賃を払える経済的な余力がない場合、住まいがなくなる危険性があります。
また保証人は親族のみに限る賃貸もあり、老後親戚がいない状態だと賃貸物件の入居を断られる可能性もあります。
長期的なコスト
マンションを購入した場合ローンの支払いは有限ですが、賃貸に住み続ける限り家賃は発生するため、長期的に見ると賃貸の家賃総額が購入価格に比べて高くなることがあります。
契約条件や改装の制約
ペットの飼育や楽器の演奏など、契約条件によって制約がある場合があります。
また、住みやすいように部屋の改装やリフォームを行うことは原則できません。
購入に向いている人と賃貸に向いている人
マンション購入が向いている人
マンションの購入が向いている人の特徴は、以下のとおりです。
●収入が安定している、ライフプランが固まっている
住宅ローンを組みやすいのは収入が安定している人や勤続年数が長い人です。
またライフプランが固まっていて、年収が不安定にならない人はローンの支払いも難しくありません。
●同じ場所で暮らしたい、転勤などで引っ越しをする可能性が低い
頻繁に転勤を行う仕事の場合、持ち家を購入すると負担になることがあります。
●家賃を払うのがもったいない
家賃を払うのがもったいないと感じる場合、資産として残るマンション購入をおすすめします。
●家族が困らないようにしたい
住宅ローンを組む際団体信用生命保険に加入すると、名義人が死亡した際保険会社がローンを支払ってくれるため家族の住まいが確保できます。
貸マンションが向いている人
賃貸マンションが向いている人の特徴は、以下のとおりです。
●引っ越しが多い、転勤が多い
持ち家の処分には様々な手続きが必要です。
転勤が多いとその手続きも負担になるため、賃貸マンションの方がいいでしょう。
●収入が安定していない人
収入が安定していないと、住宅ローン借入の審査に通らない可能性があります。
たとえ住宅ローンを組めたとしても、購入後に返済の不安を抱える恐れがあるのなら、賃貸マンションがおすすめです。
●大きな借金を背負いたくない
住宅ローンはいわば借金です。
何十年も払い続けることに耐えられない場合は、賃貸マンションにするか、ローンの返済額を減らせるような頭金を貯めてからマンション購入を検討しましょう。
【まとめ】
マンションを購入するのも、賃貸を借り続けるのも、どちらにも違いやメリット・デメリットがあります。
どちらか選びにくい時は、一度不動産会社に相談してみるのもいい方法でしょう。