不動産担保融資とは?家族に内緒で利用できるの?

 家族には、なるべく融資を借りていることを言いたくない。自分だけが知っているようにしたい。

そんなお悩みは、不動産担保ローンで解決できるかもしれません。

今回は、不動産担保ローンとはそもそも何なのか。また、担保評価額の算出方法、家族で内緒で借りることができるのか、それぞれを詳しく解説していきます。

自分だけが知っている状況で融資を借りたい。そんな人には必見の記事です。

不動産担保融資とは

バンクの絵

 不動産担保融資とは、その名の通り、不動産を担保にして、融資を受ける金融商品のことです。不動産には、本人所有の土地や建物、マンション等の物件が該当しますが、金融機関によっては、家族名義の不動産を担保とすることも可能です。資金の使い道も比較的自由となっており、他の借入を一本化することも可能です。

不動産担保融資の特徴

ジャーに入っているお金、お金から芽が生えている図

 不動産担保融資では、不動産を担保にする為、大きい金額を低金利で調達できます。法人や個人事業主が金融機関から運転資金や設備資金を調達する際の手段の一つです。万が一、返済が滞った場合は、担保としている不動産を売却しなければならないというケースもあります。それでは不動産担保融資の手続きの流れとメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。

不動産担保融資のメリット

ビジネスを考えている人の図

不動産担保融資のメリットについてご紹介していきます。

①まとまった金額の資金調達が可能

 金融機関に不動産担保融資を申込(相談)をすると、担当者が担保評価を行い、評価額を導き出します。基本的には、評価額に応じて融資金額が決定します。評価額によっては5,000万円〜1億円程度の資金調達をすることも可能です。無担保ローンでは、まず有り得ない金額ですね。

 一般的に、無担保フリーローンでは借入上限が300万円となっているケースが多く、より多くの資金ニーズに対応可能なのが、不動産担保融資の最大のメリットです。

②低金利である

 金融機関は、融資先のリスク度合いに応じて、金利を決定します。金融機関が担保評価を行い、評価額以下の金額の資金調達であれば、回収不能のリスクが限りなく抑えれることからも低金利での資金調達が可能となります。

 一般的に、無担保フリーローンの金利も10%前後と高いことから、金利負担を軽減できることも不動産担保融資のメリットの一つです。

③融資期間を長く設定できる

 金融機関からすると、担保があり、回収不能のリスクが限りなく小さい契約となるので、融資期間を長く設定することが可能となります。返済期間を長くすることで、毎月の返済金額を抑えることができます。資金繰りにも余裕が生まれ易いというメリットがあります。

 金融機関によっては、返済期間を20年〜30年と長く設定できることもあります。しかし返済期間を長くしすぎると、その分金利負担が大きくなってしまう点には注意が必要です。

不動産担保融資のデメリット

様々な紙幣、韓国紙幣

 不動産担保融資のデメリットについてご紹介していきます。

①返済が不能となれば不動産を売却しなければならない

 文字通り、不動産を担保にして融資を受ける訳ですから、万が一返済ができなくなった時には、金融機関が不動産を売却して、残債に充てるので、不動産を失います。

②申込時に諸費用が発生する

 不動産担保融資の申込時に必要となる諸費用は以下の通りです。

 ◯融資手数料

  金融機関に支払う。融資担当者が不動産の担保評価を行う事務手数料とも言える。金  融機関によって融資手数料は異なります。

 ◯印紙税

  金融機関との契約書類等に印紙が必要となる。

  印紙税は融資金額が100万円〜500万円なら2,000円ですが、融資金額が500万円〜   1,000万円なら1万円、1,000万円〜5,000万円なら2万円となり、大きめの資金調達を  することが多い不動産担保融資の場合は必然的に印紙税の負担も大きく可能性があり  ます。

 ◯登記費用

  司法書士への報酬(相場は7万円〜8万円が目安)に加えて、登録免許税を支払わなけれ  ばなりません。登録免許税は融資額の0.4%がかかります。したがって、仮に5,000万  円の借入をする場合の登記費用は報酬に加えて20万円の登録免許税がかかります。同  じく大きめの資金調達をすることが多い為、必然的に登記費用も大きくなる傾向があ  ります。

③融資実行までに時間がかかる

 不動産担保融資の事務フローは

 ・融資申込

     ↓

 ・不動産担保評価

     ↓

 ・融資稟議による審査

     ↓

 ・承認後、契約書類にサイン

     ↓

 ・融資実行

 特に担保となる、不動産の評価額の算出に時間を要します。場合によっては融資申込から融資実行までに1ヶ月前後時間を要することもあります。

 また、担保評価額内の融資金額であれば、直ぐに融資稟議は承認となるケースがほとんどですが、担保評価を上回る融資金額を希望している場合は、融資稟議にも一定の時間を要します。いわゆる信用部分(担保評価ー融資金額)については、預金担保の交渉や、その他の入担保交渉が条件となるケースがあるからです。

 承認後、契約書類にサインをしますが、サインの当日に融資が実行される訳ではありません。書類の枚数が多岐にわたる為、融資担当者のチェックが入るので最低でも1日〜2日程度は見ておいた方が良いでしょう。

担保評価額の算出方法

家とお金、時計

 不動産を担保評価する時のポイントは以下の通りです。

◯土地

 実際の売却する際の時価、国が指定する路線価等を総合的に判断した上で算出する。

◯建物

 構造、築年数、面積等を総合的に判断した上で算出する。

 担保評価額の算出時の注意点としては、上記で導き出された評価額と実際の借入可能金額はイコールではない点です。審査基準は金融機関によって異なりますが、算出された担保評価額に、一定の掛け目を入れて算出します。一般的には70%前後と言われています。

 例えば、担保評価額が3,000万円であったとしても、担保掛け目が70%であれば、融資限度額は2,100万円となります。借入期間や物件の種類によって、掛け目が60%〜80%となる場合もありますが、いずれにしても実際の評価額の100%の額の融資は受けられないと思っておきましょう。

不動産担保融資は家族に内緒に借入できる?

ケースの中に入っている大量のお金

 不動産担保融資は家族に内緒に借入することは可能ですが、主に以下のケースでバレてしまう可能性があります。

①家族が不動産登記事項証明書を発行した場合

 不動産担保融資が実行される際に、担保として提供した不動産には抵当権が設定されます。金融機関は、この抵当権があるので、ローンの返済が滞った際に担保の不動産を競売にかけることが可能となります。

 そして、不動産に抵当権が設定されると、不動産登記事項証明書に、担保設定日や借入金融機関名等が表記されます。家族がこの不動産登記事項証明を何らかの理由で発行した場合には、間違いなくバレてしまうでしょう。

②金融機関からの郵便物

 不動産担保融資を受けると、金融機関から債権書類の控え等の書類が自宅へ届きます。その際に書類を、家族に見られてしまうと借入がバレてしまいます。

 個人情報保護の観点から、会社への電話や書類送付等は無いので、会社の人に不動産担保融資がバレることは余程のことが無い限り心配はありません。

【まとめ】確実な返済計画を作成してから利用しよう!

神々しい木

 ここまで不動産担保融資について説明しました。万が一返済が出来なくなった時に不動産を失うリスクを伴うのが不動産担保融資です。しかし逆に言えば、確実に返済ができるのであれば、一度に大きな金額の資金調達を、低金利で行える魅力的な金融商品であることも事実です。

 今回紹介した知識を元に、確実な返済計画を作成してからの不動産担保融資の利用をオススメ致します。