会社経営をするときは運転資金の確認を行うのは重要です。会社は資金が無ければ事業を拡大や新しいビジネスに挑戦したくても、行動できません。そのため、キャッシュフロー計算書などを考慮して会社の運転資金をチェックすべきですが、回転期間も考慮しておくべき内容です。
会社の運転資金で回転期間のポイントと特徴を把握しておくために今回の記事で詳細な内容をご紹介致します。
運転資金の回転期間で押さえておくべきポイント
会社を経営していく中で、重要な位置を占めているのが運転資金です。運転資金は設備投資や運営に必要な費用になるものであり、仕入れや従業員の給料広告宣伝費などが含まれています。運転資金がしっかり循環していれば経営状態は安全安心となりますが、ポイントを押さえておく必要があります。それぞれの内容について紹介しましょう。
回転期間方式と在高方式の算出を確認
運転資金の回転から、企業が確保すべき算出方法について解説します。まずは回転期間方式です。回転期間方式の計算は1ヶ月あたりの売上×運転資金回転期間になります。例えば、年間売上5,000万円の会社の場合、1ヶ月あたりの売上は約417万円です。
運転資金回転期間が約1.7ヶ月であれば、運転資金＝417万円×1.7ヶ月であり、計算結果は708.9万円です。また、回転期間方式よりも大まかですが、さらに簡単に計算したい方は在高方式も活用できます。運転資金は売上債権＋棚卸資産−仕入債務で算出が可能です。
例えば、売上債権600万円、棚卸資産400万円、仕入債務300万円、年間売上5,000万円の企業があったとします。その場合、運転資金は600万円＋400万円−300万円＝700万円と計算が可能です。運転資金を求める計算式は2つの内、どちらかを利用することである程度の金額を出すことができるので、企業側はポイントとして押さえておきましょう。
運転資金回転期間は短い方が良い
運転資金回転期間は企業によって異なり、長いケースもあれば短いケースも出てくるはずです。運転資金回転期間が長い企業は、必要な運転資金が多くて資金のやり繰りが苦しい特徴があります。一方、目安よりも短い場合は必要な運転資金が少なく、資金繰りが楽であり、マイナスの場合は資金繰りに余裕があり、運転資金が余っている状態です。
運転資金回転期間は、仕入代金を支払って売上金が入金されるまでの期間になるため、このときは手元の資金が無くなって資金繰りが苦しい状態になります。つまり、期間が長くなるほど不足分を補うための資金が必要になり、財務負担も増します。
一方、回転期間が短いほど、補う必要のある運転資金が少ないことも示しているため、資金繰りは楽に行うことが可能です。もし、回転期間が長く思えるなら、短くするための工夫を求められるでしょう。また、期間がマイナスの場合は資金繰りに余裕がある企業です。
現金取引が多い場合は仕入れ代金を支払っても、資金が無くなるケースは少ないので、回転期間もマイナスになりやすい傾向があります。売掛債権の少ない飲食店や小売業などは該当しやく、企業にとっては理想的な状態と言えます。
最適な運転資金を算出しても経営が安定するとは限らない
「運転資金を算出したなら、自己資金や融資を行うなら経営は安心できる」と思う方もおられるでしょう。しかし、企業の状態によっては必要な運転資金が増加してしまい、不足してしまうケースもあります。例えば、売上の減少による経営状態の悪化です。
企業によっては売上が減少すると収益が低下するため、水道光熱費、広告宣伝費などの固定費を支払う際に、負担が大きくなるケースもあります。場合によっては運転資金を支払うのことができなくなり、資金調達をしなくてはいけないでしょう。
利益回復のために、販売方法の改善や固定費の削減も重要になります。また、帳簿で利益が出ている場合も、資金不足になる可能性があります。売上高が増えると仕入高いも増え、さらに売上増加を見込んで事業拡大などをすると支出も大きくなるため、状況によっては運転資金が不足するケースもあるからです。
また、冬季や夏季では従業員の賞与や納税などを行う時期になるため、出費が増えて運転資金が不足してしまうケースもあります。このように最適な運転資金を算出していても、会社の状況によっては運転資金が不足するケースもあるため十分注意しておきましょう。
運転資金が不足した際に行える対処法
会社の経営はできるだけ安定して資金繰りを行いたいはずですが、状況によっては運転資金が不足してしまうケースもあります。もし、運転資金が不足すれば事業や会社の存続にも影響が出るため、早急に手を打つ必要があります。どのような対処を行えるのか内容を紹介しましょう。
回転期間を短縮できないか確認してみる
運転資金は回転期間が長くなるほど不足しやすくなるため、その期間を短縮できないか考えてみることができます。回転期間を短縮させるためには、現金取引を増やして売上債権を減らす、売掛金の回収期限を短くする、仕入代金の支払期限を長くしてもらうなどの方法が取れます。
現金取引を増やすことや売掛金の回収期間は相手先の事情もあるため、必ず短縮できるわけではありませんが、交渉してみるのは1つの良い方法です。また仕入れによる支払い日も長くしてもらえれば、現金が減るペースも緩やかになり、経営の健全化につながる可能性もあります。回転期間をできるだけ短くできるように企業努力してみましょう。
固定費を見直す
運転資金は固定費の削減を行うことで減少できます。運転資金は大きく分けると、固定費用と変動費があります。変動費hs主に仕入や材料、販売手数料などがあり、売上高によって増減する費用です。一方、固定費の場合は売上高に関係なく定額発生すると費用になるため、収益が少ない月であれば、資金繰りの大きな負担になるでしょう。
そのため、運転資金不足を改善するためには、変動費よりも固定費を見直すのがおすすめです。賃料が安いオフィスへ移転する、業務効率化による人件費の削減を行うなら、固定費を減らして運転資金を確保できる可能性があるので考慮してみましょう。
【まとめ】運転資金の回転期間を見直してみよう
経営において、運転資金の見直しを行うのは重要なポイントです。運転資金が不足しているなら現状を見直して改善できる点をチェックしてみましょう。もし、回転資金を改善するのが難しい場合は、銀行などの金融機関による資金調達をして、運転資金を補充するのも1つの方法です。自分に合う方法を考えてみましょう。